研究課題/領域番号 |
24593149
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
関根 伸一 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (70506344)
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研究分担者 |
久保庭 雅恵 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (00303983)
前田 和彦 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (00346165)
永田 英樹 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (50260641)
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キーワード | 舌下免疫 / 樹上細胞 / 肺炎球菌 / PspA |
研究概要 |
肺炎の主要な起因菌である肺炎球菌の粘膜ワクチンの評価を行った。抗原としてPneumococcal surface protein A (PspA)を用いた。PspAは全ての肺炎球菌表層に存在するコリン結合タンパク質である。粘膜ワクチンとしてpCCL5 cDNAを使用した・ C57BL/6マウスにPspAとpCCL5 cDNA を周毎に4回舌下投与したところ、血清、肺洗浄液(LWs)、鼻腔洗浄液(NWs)において抗原特異的な抗体価の上昇が見られた。また膣洗浄液(VWs)およぎ糞便(FEx)からも同様の結果が得られた。また脾臓、鼻腔粘膜(NPs)、頚部リンパ節(CLNs)および腺周囲リンパ組織(PGLNs)において抗原特異的抗体産生細胞の上昇を確認した。 最終免疫から1週間後、肺炎球菌WU-2株を鼻腔投与し48時間後のLWs、NWsおよび血液を用いてCFU assayを行った。pCCR5 cDNA投与群はコントロール群(pORF)と比較して著しい抑制効果を示した。引き続き、舌下腺(SLGs)、顎下腺(SMGs)、CLNs、 PGLNsおよび脾臓の樹上細胞をフローサイトメトリー (flow cytometry) で分析したところ、PGLNsにおいて、CCR5+樹状細胞の増加が認められた。 これらのことから舌下免疫は舌下組織のCCR5+樹上細胞を活性化させることで、PspA特異的な分泌型抗体価を上昇させ肺炎球菌の感染を減少させることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
誤嚥性肺炎時におけるマウスの状態、及び誤嚥性肺炎とインフルエンザ感染を同時に起こしている状態を今後考察するにあたって、主要な肺炎起因菌を使用したマウスモデルの評価は非常に重要である。本年はその評価を行うことが出来たと考えられ、現在までの達成度は「おおむね順調に進展している。」と区分できる。
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今後の研究の推進方策 |
誤嚥性肺炎モデルを構築する。またその評価は気道免疫防御系(BALT)及び鼻腔免疫防御系(NALT)を中心に評価する。具体的には口腔細菌及び肺炎球菌を同時に用いた混合感染モデルを予定している。
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次年度の研究費の使用計画 |
予定していたよりはるかに少ないマウスで実験結果を得ることが出来たから。 混合感染モデルの予備実験としてマウスを多く購入することで対応する。
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