| 研究課題/領域番号 |
24593154
|
|---|
| 研究機関 | 岡山大学 |
|---|
研究代表者 |
横井 彩 岡山大学, 大学病院, 医員 (00612649)
|
|---|
| 研究分担者 |
山中 玲子 岡山大学, 大学病院, 助教 (00379760)
柏崎 晴彦 北海道大学, 大学病院, 講師 (10344516)
森田 学 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (40157904)
山崎 裕 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (90250464)
秦 浩信 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (70450830)
|
|---|
| キーワード | 口腔ケア / 上部消化管癌 / アセトアルデヒド / 予防 / 頭頚部癌 |
|---|
| 研究概要 |
現時点で、上部消化管癌患者のべ72症例、健常者58症例、データを収集した。具体的には、横断調査として、初診時のデータが、癌患者46症例、健常者58症例である。また縦断調査として口腔ケア後のデータを、癌患者20症例収集できた。
横断調査、縦断調査とともに以下の内容についてデータを収集した。具体的には、年齢、性別、病名、口腔内アセトアルデヒド濃度、アルコール代謝酵素の表現型、舌背のカンジダ（C.albicans,C.krusei,C.tropicalis)菌量のレベル、菌種数、現在歯数、口腔清掃状態、歯周病進行状態、歯磨き回数、歯磨き時間、喫煙習慣、飲酒習慣についてである。
統計分析を行ったところ、以下の結果が得られた。横断調査では、口腔内アセトアルデヒド濃度について、癌患者と健常者との間に統計学的有意差はみられなかった。また、癌患者と健常者それぞれにおいて、口腔内アセトアルデヒド濃度と舌苔の付着面積のスコア、口腔内アセトアルデヒド濃度と歯肉の下がり具合、との間に統計学的有意な関係がみられた。縦断調査では、20症例中、12症例に口腔内アセトアルデヒド濃度の減少がみられた。
癌患者と健常者において、口腔内アセトアルデヒド濃度の差はみられなかったものの、舌苔の付着面積が大きい人、歯周病の既往があり、歯肉の下がり具合が大きい人のほうが、口腔内アセトアルデヒド濃度が高いということがわかった。このことから、舌苔を除去すること、歯周病を予防することが、口腔内アセトアルデヒド濃度を減少させるかもしれないということが示唆された。さらには、アセトアルデヒドに発がん性がみられることから、舌苔除去、歯周病予防が、癌予防に寄与するかもしれないという、可能性が示めされた。
|
| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
横断調査では症例を多く収集することができた。一方、平成25年度に進めるべき縦断調査として、健常者の縦断調査の症例数を集めることができなかった。その理由としては、横断調査に関する症例収集に日数を費やしたことがあげられる。
|
| 今後の研究の推進方策 |
平成25年度の研究の達成度に対する課題として、縦断調査の症例収集があげられる。平成25年度は研究分担者の変更もあり、平成25年度実施の計画・研究費の一部を平成26年度に繰り越すこととなった。
平成26年度は縦断調査の症例数を、岡山大学、北海道大学、双方で収集する予定である。新しい研究分担者は、北海道大学病院のがん治療に関する臨床現場において、責任ある立場で実務を行っているため、症例の収集を容易に行えることが期待できる。
|
| 次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度の途中で、研究分担者が変更となり、分担金の分配額に変更があった。そのため、平成25年度に計画していた研究を、平成26年度分とまとめて実施することとなった。平成25年度の研究に使用予定であった物品も、平成26年度にまとめて購入することとなったので、平成25年度の分配金を、平成26年度に繰り越すこととなった。
平成25年度使用分を平成26年度に繰り越し、北海道大学でのまとまった縦断調査の症例収集費用にあてる。よって、平成26年度は、当初予定していた研究計画及び平成25年度に実施できなかった、縦断調査を実施することとしており、そのための費用とする。
|
