研究課題/領域番号 |
24593165
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研究機関 | 明海大学 |
研究代表者 |
安井 利一 明海大学, 歯学部, 教授 (20146252)
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研究分担者 |
竹下 玲 明海大学, 歯学部, 准教授 (70236454)
岡本 和彦 明海大学, 歯学部, 准教授 (50271234)
高野 安紀子 明海大学, 歯学部, 講師 (20337504)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 歯周病原性細菌 / 細胞内侵入 / COX-2 |
研究実績の概要 |
最近、非強毒素産生菌であるブドウ球菌、インフルエンザ菌、緑膿菌、並びにライム病ボレリアなどは、細胞内への侵入によって、慢性かつ難治性の病態を形成するものと考えられている。従って、細菌の細胞内侵入は感染の成立のみならず、慢性病態の成立・進行に密接に関連する可能性が示されている。 成人性歯周疾患は、Porphyromonas gingivalis (P. gingivalis)の感染により発症する難治性の慢性感染症であり、骨吸収活性を有した炎症性サイトカイン(IL-1、TNF-alpha、並びに、IL-6)が、密接に関与している。最近の研究は、本菌が上皮細胞内に侵入することを報告しているが、細胞内侵入による歯周組織の破壊は、完全には明らかになっていない。 そこで、昨年度、P. gingivalis 33277株の口腔上皮細胞様細胞であるKB細への細胞内侵入によるIL-6の発現について検討した。本年度は、P. gingivalisは、細胞侵入によってKB細胞のプロスタグランジン合成酵素であるシクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)遺伝子発現について検討した。その結果、KB細胞のCOX-2遺伝子発現は、P. gingivalisの菌量に依存的して、上昇した。細胞内侵入阻害剤であるCytochalasin DとNocodazoleは、本菌誘導性COX-2遺伝子発現を阻害した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究代表者の置かれている環境が、非常に多忙であるため、研究の遅れが心配であったが、最終的には、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
口腔上皮細胞様細胞であるKB細への細胞内侵入がCOX-2遺伝子発現を誘導することを示した。今後、P. gingivalisの細胞内侵入が、遺伝子発現を誘導する情報伝達機構について検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験が効率よく進行し、思ったほど試薬などを使用しなかった。再実験の機会も、少なくてすますことができた。また、実験代表者と実験分担者が、多忙なため、検討に費やす時間が、制限された。また、試薬も、計画より安価なものを購入できた。以上の理由などから、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
口腔上皮細胞様細胞であるKB細への細胞内侵入がCOX-2遺伝子発現とIL-6遺伝子発現を誘導することを示した。今後、P. gingivalisの細胞内侵入が、遺伝子発現を誘導する情報伝達機構について検討する。
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