人工的歯石形成の実験系を確立し酸化LDLの歯石形成への関与を検討した。その結果、走査型電子顕微鏡による観察では、メンブレンを水、LDL、酸化LDLに浸漬した場合と比較してHDLのみが異なった結晶構造を示した。透過型電子顕微鏡による観察では、LDL、酸化LDLを反応液に添加した場合、ハイドロオキシアパタイト様の結晶が観察された。電子線マイクロアナライザによるカルシウム、リンの比率の定量では反応液に酸化LDLを添加した場合が最もハイドロオキシアパタイトに近い結晶を生成していた。以上の結果により酸化LDLは歯石の主成分であるハイドロオキシアパタイトの形成を促進している可能性が示唆された。
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