研究課題/領域番号 |
24593180
|
研究機関 | 九州女子大学 |
研究代表者 |
濱嵜 朋子 九州女子大学, 家政学部, 准教授 (60316156)
|
研究分担者 |
萩原 明人 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50291521)
|
キーワード | 歯科医師 / 多職種 / コミュニケーション |
研究概要 |
先行研究から、医事紛争に至る最大の要因は、医療の質ではなく医療コミュニケーションであること、および、医療者間のコミュニケーションが治療結果に影響を及ぼすことが明らかになっている。このような知見の集積にも関わらず、わが国の歯科医療の分野では、他職種との連携(コミュニケーション)不良が一因と考えられる紛争事例が増加している。しかも、わが国での医療従事者間のコミュニケーション要因について十分な検討が行われていない。そこで、本研究の目的を、チーム医療に関するわが国の医事訴訟判例のデータベース化、および、解析作業によって1)医療従事者の法的責任に関連する医療従事者間のコミュニケーション要因を特定する。2)医科分野と歯科分野にけるコミュニケーション要因を比較し、歯科分野におけるチーム医療におけるコミュニケーションの特徴を明らかにすることとした。 研究2年目の平成25年度は、初年度に引き続き、医事訴訟判例の収集および分析を行った。具体的には、法学関連の雑誌である「判例時報」、「判例タイムズ」等に掲載されている医事訴訟判例を対象とした。その中で、多職種コミュニケーションが問題となった歯科および医科分野の医事訴訟判例について、医療従事者の法的責任に関連すると考えられる変数についてコード化を行い、全判決からなるデータベースの構築を目指した。しかしながら、目標とする判例数の収集には到達しておらず、引き続き、判例の収集、分析を行う予定にしている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究では、多職種コミュニケーションが問題となった医科および歯科分野の医事訴訟判例を対象とした。このような訴訟は増加していることが指摘されているものの、訴訟が和解等にいたったケースもあることが予想され、対象とする雑誌に掲載されているものが少なく、昨年同様判例収集が困難をきわめている。
|
今後の研究の推進方策 |
本年度は、引き続き医事訴訟判例の収集および分析を行う予定にしている。昨年度よりインターネットサービスの活用も行っており、今年度も引き続きサービスの利用を継続する。歯科医師会等への依頼も引き続き試みる予定である。そして、データベース構築の完成を目指すことにしている。
|
次年度の研究費の使用計画 |
次年度は最終年度であり、引き続き、研究を行う予定にしている。 ①判例収集:判例収集にかかる費用として、インターネットサービス使用料、複写代および交通費を予定している。②コーディング妥当性の検証:評定者間のコーディングの妥当性検証の為、複数の評価者を設定している。今年度も引き続き、歯科および医科における知識を有している学生、大学院生を採用する予定にしている。③データベースの構築および分析:データ入力、データベース構築のための記録媒体および謝金の使用を予定している。④成果発表:学会もしくは学術論文としての発表を予定している。
|