研究課題/領域番号 |
24593182
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 福岡歯科大学 |
研究代表者 |
埴岡 隆 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (00144501)
|
研究分担者 |
晴佐久 悟 福岡歯科大学, 歯学部, 講師 (10330961)
山本 未陶 福岡歯科大学, 歯学部, その他 (90435123)
小島 美樹 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (20263303)
田中 景子 福岡大学, 医学部, 講師 (40341432)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 受動喫煙 / 齲蝕 / 乳歯 / たばこ対策 |
研究概要 |
疫学研究論文では、受動喫煙とう蝕の関係を説明するいくつかの経路が推定されている。質の高い疫学研究の系統的レビューでは、受動喫煙と乳歯う蝕の独立した有意の関係は一貫しており、自然介入効果及び量-反応関係の結果も一致していた。また、曝露時期とう蝕罹患の時間関係も明確であり、因果関係推定の科学的根拠の疫学面での信頼性はきわめて高い。疫学面での知見を支持する動物実験等の基礎研究の報告が行われているが、どの経路が主要な役割を果たしているかは明確にはなっていない。本研究では、受動喫煙とう蝕の関係を生物学的に無理なく説明する経路解明のために、歯質・唾液・萌出時期に着目して、疫学研究と基礎研究のトランスレーショナル研究を行うとともに、若年女性の歯科領域における受動喫煙に関する意識を調べる。 平成24年度は、歯の診査については、小児のマクロ撮影においてすばやくオートフォーカスができて、ストロボ発光が口元に限られるデジタルマクロ撮影画像装置を用いて収集したデジタル画像のコンピューター上で拡大再現し表面の粗さを評価する方法を確立した。唾液測定についても、小児の唾液成分量を客観的に瞬間的に測定可能な口腔水分電子測定装置計による測定準備を整えることができた。北海道、山形県、神奈川県の小児歯科医に協力を呼びかけ、開業小児歯科医の協力が得られており、倫理審査委員会に研究計画を提出した。また、自治体については北海道、神奈川県、静岡県の各自治体保健部門研究主旨の説明会の開催について要請し、乳幼児歯科健診受診者を対象に実施する施設募集の際に自治体説明会で用いる歯の萌出時期の調査の質問紙および「受動喫煙と子どものう蝕の関係」の意識調査のための質問紙の試作品を開発した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
歯科医院および自治体関係機関での調査について、歯科医院では計画どおりにすすんでおり、自治体関係機関の調査についても、対象施設の募集のための説明会を計画しており、おおむね順調に進展している。
|
今後の研究の推進方策 |
北海道、神奈川県では、デジタルマクロ撮影、唾液湿潤度検査および受動喫煙 と乳歯う蝕の関係知識と禁煙動機の意識に関する質問紙調査等を実施する。自治体関係施設を対象とした調査研究について、協力機関の募集を行い、調査内容について協議するとともに、調査を開始する。調査内容は、歯の萌出時期および受動喫煙と乳歯う蝕の関係知識と禁煙動機の意識に関する質問紙調査である。また、収集したデジタル画像データの予備的解析を行い、分析方法の改善を行う。
|
次年度の研究費の使用計画 |
自治体説明会の研究打ち合わせにかかる旅費および被験者への謝品の購入費用が必要である。さらに、対象施設を増加するために、デジタル画像カメラおよび口腔水分計の購入費用が必要である。これらの調査を実施するにあたり、特に、自治体における研究では、研究補助にかかわる謝金を支出する予定である。
|