研究課題
平成26年度は、平成25年度からの継続として自治体における1歳6か月児健診での歯の萌出時期に関する調査を実施し、平成26年度から新規に歯科医院受診小児患者での唾液、舌苔および歯の形態に関する調査を実施した。自治体調査では静岡県3市の保健センターで約500名の歯の萌出状況と母親および家族の喫煙状況を調査記録した。歯科医院調査では北海道2施設、福岡1施設、沖縄2施設の歯科医院5施設の受診者約500名について、唾液湿潤度を口腔水分計を用いて計測するとともに、受動喫煙を受けた児および受けていない性・年齢をマッチした児から舌苔を60検体を採取し、採取した検体を検査センター(サリバチェックラボ)に郵送して、舌苔中のS. mutansおよびLactobacillus菌数をPCR法により定量的に評価し、受動喫煙の有無により比較した。また、口腔写真は、上記の歯科医院5施設および山形県の歯科医院1施設から提供を受けた。歯科医院における調査では、受動喫煙と受動喫煙のない場合では明確な差異は認められなかったが、自治体における調査では、歯の萌出時期について、喫煙する妊婦から生まれた児の方が、非喫煙の妊婦と比べて、歯の本数が有意に多く、この差は、性、社会教育状況および出生時体重を調整しても有意だった。このことから、喫煙する妊婦から生まれた児の歯は非喫煙妊婦から生まれた児より早く萌出することが示唆された。今後は、エナメル質の結晶化の成熟度が低いまま萌出し、脱灰されやすくなって齲蝕になりやすいという経路、もしくは、口腔内での酸への曝露時期が早くなることの影響などを確かめる研究が必要である。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件)
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