平成24年度は、訪問看護師とA大学病院病棟看護師に対し、がん患者の退院支援の現状と課題や、看護師同士の連携(以下看看連携)についてインタビュー調査を実施した。 平成25年度は、上記の調査結果を踏まえ、がん患者の退院支援に関する看看連携について共通した認識や、連携に対する方策などを問う質問紙調査を平成25年3月に実施した。そして、平成25年度は質問紙調査の結果の詳細な分析と共に、フィードバックするための具体的な方法や、その方法の実現可能性の有無を踏まえ、訪問看護師に無理がかからず継続可能な方法を研究協力者(退院調整看護師と訪問看護師)と共に検討した。 平成26年度は、研究協力者と共に、より実現性が高く継続可能な訪問看護師から病棟看護師への退院支援に関するフィードバック実現の調整に時間を要したが、「訪問看護連絡票」記載の共通認識と記入協力を、A大学病院と連携したことがある訪問看護ステーションから得られたため、平成26年度末から上記の取り組みを実施することができた。 平成27年度は、平成26年度末から実施した訪問看護師からA大学病院への「訪問看護連絡票」を使用し、退院後の情報のフィードバックを実施した。平成27年12月まで実施したが、その間に、今までの研究成果報告を兼ねたワークショップを2回開催し、在宅医療にかかわる関係職種やA大学病院の医師や看護師(病棟看護師、外来看護師)とディスカッションすることで顔が見える関係構築に繋がったと考える。その後、訪問看護師と病棟看護師にインタビューを実施し、この調査をベースとした質問項目や平成25年度実施した質問紙調査との比較検討も出来る質問項目を設定し、質問紙調査を実施した。現在、インタビュー調査と質問紙調査結果の分析中である。
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