研究課題/領域番号 |
24593186
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
岩永 喜久子 群馬大学, 保健学研究科, 教授 (40346937)
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研究分担者 |
柳 奈津子 群馬大学, 保健学研究科, 講師 (00292615)
常盤 洋子 群馬大学, 保健学研究科, 教授 (10269334)
篠崎 博光 群馬大学, 保健学研究科, 教授 (30334139)
辻村 弘美 群馬大学, 保健学研究科, 講師 (70375541)
桐山 勝枝 群馬大学, 保健学研究科, 助教 (70412989)
小板橋 喜久代 群馬大学, 保健学研究科, 教授 (80100600)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 看護専門外来 / 評価尺度 / 看護のイノベーション |
研究概要 |
本研究の目的は、看護専門外来の運用がもたらす医療への効果を検証するために、全国の開設状況と実践内容を明らかにし、評価尺度の開発と看護専門外来のアウトカムを評価することである。計画は3年間の3段階で実施する予定であり、24年度計画は調査対象とする機関の洗い出しと、国内施設訪問による情報収集ならびに評価測定尺度の検討である。 具体的な実施内容は、本研究の基盤となる①9分野における臨床‐教育連携の看護専門外来の運営、②本研究の調査対象機関の洗い出し、③評価測定尺度の検討であった。①については、リラクセーション外来、リラクセーションマッサージ、リンパ浮腫外来、母性看護外来、母乳外来、がん看護、糖尿病療養相談・フットケア外来、神経内科看護相談、乳腺看護外来であり、定期的な合同委員会を開催して運営した。担当者による実践事例は難病患者22名、がん相談190名、母乳外来1129名などであり、他に活動報告会開催、人材の育成などを行った。広報も兼ねた第32回日本看護科学学会学術集会の交流集会においては、看護専門外来のエビデンスに基づく実践・研究について報告を行い、看護の卓越した専門性を集積させる看護専門外来システムを構築するために意義のある交流であった。 ②については、webを介しての看護専門外来を行っている施設を洗い出している途中である。臨床の看護職と教育機関の看護の研究者による協働型の看護専門外来は少なく、引き続き調査機関を選択する予定である。 ③については、実施当該施設看護専門外来受診者と看護専門外来担当者を対象に実施評価等に関する質問紙調査であった。受診者からは、時間をかけた専門的な関わりをしてもらいよかった、などの意見があり、現在まとめている途中である。 チーム医療発展への寄与と社会の要請に応えることが新たな看護の役割拡大の方略であり、さらに検証することに意義がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は、医療機関(訪問看護ステーションを含む)で行われている看護専門外来の開設状況と実践内容を明らかにして、そのアウトカムを評価することを目的としている。本研究は3段階で実施する予定であり、1段階(1年目)は調査対象とする機関の洗い出しと、国内施設訪問による情報収集(上半期)、評価測定尺度の検討(下半期)、指標を精選し、追加・修正をすることとして計画した。24年度の具体的計画と到達目標を次のように設定したが、やや遅れている。具体的な当初の計画と達成度について述べる。①看護専門外来と院内助産を開設している機関の洗い出しにおいては、インターネットのホームページなどから看護専門外来を開設している機関の情報を収集しているが、まだ不十分である。②国内の看護専門外来・院内助産・訪問看護ステーションへの情報収集については、国内施設を訪問調査するための時間的配分の調整が不十分であり進めることができなかった。③評価測定尺度の検討については、本研究の基盤となる群馬大学医学部附属病院の看護専門外来9分野を利用している患者・利用者と、外来担者を対象とした調査を行い、現在結果をまとめているところであり、調査項目の精選を行うところまでには至っていない。しかしながら、本学における看護専門外来の運営については、臨床との連携をとりながら行い、本研究の基盤を構築できたと考える。 研究が遅れた理由は、研究に充てる時間管理が十分にできなかった点にある。学部学生、博士前期・後期課程学生の授業や、社会貢献としての学外の研修会等の担当並びに学内の管理的な諸所の案件により、時間管理が不十分であった。
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今後の研究の推進方策 |
今後、平成24年度の研究計画で遅れた事項を取り戻し、次年度以降の計画とあわせて進めていく予定である。 【研究計画の変更点】 本研究計画のうち、調査対象に訪問看護ステーションの在宅看護を受けている利用者と看護職を予定している。計画立案時には、訪問看護ステーションにおいて看護職による看護独自の機能を地域においても発揮することにより、今後の保健・医療・福祉の分野でこれまでの医療問題の解決策の一考になるのではないかと考え、計画した次第である。しかしながら、訪問看護ステーションは本来本研究における看護専門外来のシステムを有しているところはないと考える。また、訪問看護ステーション以外の施設に勤務する看護職による看護専門外来の本年度研究が予定していたように進まなかった点も踏まえて、予定の全国の看護専門外来、院内助産を主にした調査を先に行い、訪問看護ステーションを対象とした調査を見合わせることが必要ではないかと考える。よって、当初調査対象としていた訪問看護ステーションを25年度調査対象から除き、計画を推進していく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
25年度以降の計画 平成24年度の研究計画のうち、国内施設訪問による情報収集ができなかったために、旅費等が発生せず、当該研究費が生じる結果となり次年度使用額として研究費が残された。今後は、本研究費と25年度経費を合わせて情報収集のための旅費等研究費として計画し実施する予定である。 【研究計画と到達目標】:24年度に実施予定であった国内の複数の看護専門外来を有する施設の訪問を行い情報を収集する。そして、25年度計画に則って上半期に看護職による専門外来のアウトカム指標を完成させ、下半期に全国の看護専門外来、院内助産のアウトカム評価のための調査を行う。 調査の概要:24年度から25年度にかけて決定した全国の看護専門外来、院内助産を行っている機関を対象に、施設責任者へ依頼と研究概要の説明をして同意が得られた機関で実施する。 調査対象:上記機関の看護専門外来で看護サービスを受けている患者1,000名程度(1機関5名を予定とする)と、サービス提供者の看護師1,000名程度(専門看護師612名と認定看護師9,048名の現登録者のうち、看護専門外来を担当している者を優先)、助産師300名程度を予定している。
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