研究課題/領域番号 |
24593196
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
北原 照代 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (20293821)
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研究分担者 |
垰田 和史 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (90236175)
西田 直子 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (80153881)
鈴木 ひとみ 神戸常盤大学, 保健科学部, 講師 (60462008)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 看護必要度 / 運動器障害 / 看護管理 / 安全衛生管理 |
研究概要 |
H24年度は、次年度のパイロット調査として、某大学附属病院(以下、A大学病院)および某民間病院(以下、C民間病院)の病棟に勤務する全看護師を対象に、労働と運動器障害の実態に関する質問紙調査を行い、調査実施時期の病棟別の看護必要度のデータと自覚症状等との関連を検討した。 回収率は、A大学病院69%、C民間病院80%。A大学病院およびC民間病院における調査時点での腰痛有訴率はそれぞれ47%・58%、過去1ヶ月の腰痛有訴率は68%・75%、身体部位別の痛み有訴率は頸23%・29%、肩32%・37%、腕6%・9%、背21%、25%であった。腰・頸・肩の痛み有訴率は、過去に腰痛や頸肩腕障害が多発している介護職員、障害児学校教員、手話通訳者等と同等もしくはそれ以上の高さであった。看護必要度との関連を検討したところ、頸・肩・腕痛訴え率は、A項目との関連が乏しく、B項目との関連が認められる傾向があったが、腰痛訴え率に関しては一定の傾向を認めなかった。次年度の対象者数を増やした調査でさらに検討する予定である。 その他、チェックリスト作成の基礎資料を得るため、A大学病院の2病棟およびB大学病院の3病棟を対象に職場巡視を実施した。また、海外の資料を収集(一部翻訳)し、さらに第2回作業関連性運動器障害日韓合同シンポジウム(ソウル、8月12日)に参加して、韓国の研究者と情報交換を行った。 本研究により、看護管理と労働衛生の観点から、看護師の運動器障害予防対策に看護必要度のデータをいかに活用できるか検討し、看護師が長く健康に働き続けられるような対策を提案することにつなげたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ほぼ予定どおりだが、H25年度に実施する質問紙調査の調査項目がまだ確定していない。 また、C大学病院で実施した職場巡視の報告が未実施である。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画通り、大学病院と民間病院の病棟に勤務する看護師(計50病棟、約1500人)を対象に質問紙調査を行い、運動器障害と労働の実態を明らかにするとともに、調査実施時期(6~7月)の病棟別の看護必要度のデータを収集し、運動器障害との関連を検討する。現時点で、A大学病院、B大学病院およびC民間病院で実施できる見込みであるが、大阪府の4民間病院と兵庫県の1民間病院にも協力をお願いする予定で、準備を進めている。調査内容および収集する看護必要度の項目の決定は、6月には完了し、調査方法は前年度と同様とする。質問紙の配布・回収作業、データクリーニング、データ解析にあたっては、研究補助員を確保する。 なお、前年度の調査結果の一部を、韓国(釜山)で7月に開催される作業関連性運動器障害予防の国際科学会議(PREMUS)にて発表する。 質問紙調査の結果を検討し、職場巡視で得られた作業姿勢および作業環境要因に、看護必要度を組み入れた運動器障害予防チェックリストを作成する。同チェックリストは、共同研究者内で議論して作成し、第1版は協力病院の一つにパイロット的に使用を依頼するなどして、バージョンアップを重ねる。 以上を共同研究者と連携しながら進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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