入職後の新卒看護師のストレス反応は強く、看護管理者は職場適応のための効果的な教育支援を探求している。本研究は、新卒看護師が職業性ストレスを乗り越えるために、レジリエンスを向上する教育支援について考案することを目的としている。 最終年度である本年度は、①面接調査の実施と分析、②これまでの研究結果をもとに考えた新卒看護師のレジリエンスを向上するための教育支援について、研究協力施設の看護部長ならびに教育担当師長から意見を聴取した。 面接調査は、面接の協力を得られた就職後1年の新卒看護師15名を対象に実施した。1年間の職務経験を振り返ってもらい、ストレス状況の受け止めや乗り越えるための行動などについて半構成的面接により語りを得た。インタビューの内容は、対象者の承諾を得て録音した。インタビュー内容を逐語録に起こし、質的帰納的に分析した。新卒看護師からは、業務遂行の困難さ、職場での人間関係、仕事の適性などに関するストレス状況が語られた。乗り越えるためには、同僚新卒看護師、プリセプター、親に心情を吐露するなど情緒的サポートを受ける、休息や気分転換を図るなどをしていた。また、自分自身の気持ちの切り替え、内省による課題の明確化、自ら他者へ支援を求める、主体的な学習など、状況を変えるための行動を起こしていた。 新卒看護師が職務上の困難を乗り越えるためには、情緒的なサポートと状況を変えるための行動を起す契機となる看護への関心が重要であることが示唆された。
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