研究課題/領域番号 |
24593201
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
大川 百合子 宮崎大学, 医学部, 准教授 (60270055)
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研究分担者 |
深井 喜代子 岡山大学, 保健学研究科, 教授 (70104809)
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キーワード | 看護技術 / フェイスマッサージ |
研究概要 |
本年度は,昨年度のから引き続きフェイスマッサージの圧に関する基礎的研究を実施するとともに,今後の研究予定の前頭葉脳血流を測定する機器の操作や文献検討に取り組んだ。まず,マッサージ圧に関して,20年以上のフェイシャルセラピスト講師として経験持つ1名に研究参加を依頼し,マッサージ圧の測定とその技術を分析した。マッサージの圧を口頭で確認しながら,触れる程度の「軽度圧」,心地よいと感じる「中等度圧」,不快感までには至らない「強度圧」まで力を増す行程を繰り返し,圧の範囲を求めた。 額のマッサージでは,「軽度圧」が100~200 g/cm2,「中等度圧」が200~300g/ cm2,「強度圧」が300~400 g/cm2であった。それぞれ100 g/cm2の差であるが,圧が強まるほど皮膚を圧迫している時間が長くなることが分かった。眼周囲では主に第3指でマッサージが実施されていた。「軽度圧」で300~400g/ cm2,「中等度圧」が600~700 g/ cm2,「強度圧」が700~800 g/ cm2で,特に眉頭の部分では1000 g/cm2を超えていた。頬部のマッサージでは,「軽度圧」が200~400g/ cm2,「中等度圧」が400~500g/ cm2,「強度圧」が500~600 g/ cm2で,どの場合も第3指と第4指で皮膚を上方向に上げるときに圧が加わり,次に力を弱めるといった一定のリズムで繰り返され,マッサージの最後で一番高い圧で押していた。 さらに20歳以上の健康な女性を対象に,顔面の各部位での3つの圧の数値を測定した。今回は,今後の生理的指標のひとつとである唾液アミラーゼやバイタルサインを実験前後に測定した。データ収集の途中ではあるが,実験前後で目立った変化は見られていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度では,フェイシャルセラピストの協力を得て,研究者のフェイスマッサージの手技について洗練することが出来た。現在までフェイスマッサージの圧の数値化について実験を続けている。同時にバイタルサイン,唾液アミラーゼなどを測定し,今後の研究のベースラインにするなど,次の実験の準備に取り掛かっている。また,光イメージング脳機能測定装置による前頭葉の血流量測定について,機器の操作の習得に着手している。以上のように,平成25年度に目標に挙げていた内容について実験を進めており,おおむね順調に進行していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
今後実験を進めていくため,被験者の募集を続けて行う。マッサージ圧の範囲を確定した後,各マッサージ圧による生理的・心理的反応を測定する。また,ストレス負荷については方法をさらに検討する必要がある。現在までの実験ではフェイスマッサージによる血圧・脈拍の変化は見られておらず,今後,深部温・末梢温の測定を加えていく。また自律神経系,内分泌系・免疫系,神経内分泌系の測定なども進めていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
当該年度に図書を購入予定で当たったが、インターネットによる検索で閲覧することができたため今回は見送った。そのため7130円が残金となった。 図書費として使用する予定である。
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