平成27年度は、フェイスマッサージがストレッサーに対しどのような影響を与えるか明らかにするため、前頭葉の脳血流の変化を測定した。今回はストレス負荷として言語流暢性課題を採用した。データ収集は、実験開始前の5分間安静後、1回目言語流暢性課題後、マッサージまたは安静後、2回目言語流暢性課題後に行った。生理的データとして、血圧、脈拍、皮膚温(手掌および頬部)、心拍変動(HF、LF、LF/HF)、前頭葉血流量、唾液アミラーゼ値を採取した。心理的データとして、リラックス度、快適度、覚醒度をVisual analog scaleにて採取した。なお、フェイスマッサージ群と安静群の両方を体験するクロスオーバー法を採用した。先にどちらの群を体験するかは、あらかじめ群を割り振った表を作成しておき、被験者としてエントリーした順番で決定した。 実験の結果、両群ともに血圧、脈拍、皮膚温に関しては、実験を通して統計学的な変化は認められなかった。心理的な変化としては、リラックス度、快適度はフェイスマッサージ群の方がマッサージ後に高くなる傾向があった。覚醒度については安静群で安静後に低下する傾向があった。実験後の感想においても、フェイスマッサージ後はすっきりしたとの記載がみられた。フェイスマッサージを実施した場合、安静にするよりも活気づけたり、リフレッシュ効果が得られることが示唆された。前頭葉の血流に関しては分析中である。
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