研究課題/領域番号 |
24593207
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研究機関 | 岩手県立大学 |
研究代表者 |
高橋 有里 岩手県立大学, 看護学部, 准教授 (80305268)
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研究分担者 |
武田 利明 岩手県立大学, 看護学部, 教授 (40305248)
三浦 奈都子 (小山 奈都子) 岩手県立大学, 看護学部, 助教 (40347191)
及川 正広 岩手県立大学, 看護学部, 助教 (60537009)
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キーワード | 筋肉内注射 / 注射部位反応 / 硬結 |
研究概要 |
本研究目的は,筋肉内注射におおいて,頻回に注射された部位が硬くなる,いわゆる臨床で「硬結」と呼ばれている症状の実態を明らかにすること,そよびそれに対するケアや予防法について実証的検証を行い,より確かな筋肉内注射技術の確立を目指すことである. 文献検討により,辞典では「硬結」の定義は曖昧で,皮膚科学書のほとんど,また手に入った病理学書のすべてにも詳細な記載はなく,「生理的に柔らかい組織が病的に硬くなる限局性の硬化で,触診で確認できるもの」という現象の記載にとどまっていた.研究としては,2005年以降に報告数が増え,薬剤の使用開始直後から数年経過後など発生時期は様々であること,発生部位への注射回数等証左が不明なものが多いが,大きいものでは10cm大にもなり疼痛,潰瘍の形成など重症化しているものもあることが明らかとなった. また,東北地方の精神科勤務看護師への質問紙調査では,71%が硬結の経験があり,そのうち75%が「薬液を注入できない」「針を刺入しにくい」等の不都合を自覚し,61%の患者が「痛み」「違和感」等で困っていたことがわかった.さらに,物理的な困難だけでなく,「不安」「恐怖」「よく分からない」「困る」などの心理的困難が伴っていることも明らかとなった. また,継続的に筋肉内注射による治療を受けている患者の注射部位の縦断的調査を続けており,硬結部位を客観的に特定する取り組みにより,患者の主観としては調査以前よりもひどい硬結にならなくなったとの声が聞かれている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画として,平成25年度までに研究1「硬結に関する看護師に対する実態調査,患者の注射部位の縦断的実態調査」,研究2「文献検討」,研究3「調査結果の分析・評価」,研究4「硬結の実態解明と病態動物モデルの開発」,研究5「病態動物モデルを使用しての実証的検証」を予定していたが,研究4および研究5の予備実験まで実施できているため.
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今後の研究の推進方策 |
研究1「硬結に関する看護師に対する実態調査,患者の注射部位の縦断的実態調査」について,引き続き,対象者を縦断的に調査していく.また,研究4「硬結の実態解明と病態動物モデルの開発」,研究5「病態動物モデルを使用しての実証的検証」については予備実験結果を元に,平成26年度本実験を行っていく予定である.
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次年度の研究費の使用計画 |
研究4,5について,予備実験まで行ったが本実験まで進まなかったため 平成26年度の本実験の費用に追加して使用する.
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