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2012 年度 実施状況報告書

看護における組織内合意形成に焦点をあてた研究成果活用の促進モデルの構築

研究課題

研究課題/領域番号 24593209
研究種目

基盤研究(C)

研究機関岩手県立大学

研究代表者

遠藤 良仁  岩手県立大学, 看護学部, 助教 (00438087)

研究分担者 伊藤 收  岩手県立大学, 看護学部, 教授 (40320246)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード研究成果の活用 / 合意形成 / 人材育成
研究概要

看護師には、最新の研究成果を活用した看護の改善が求められる。そのためには組織レベルでの研究成果活用の意義や必要性が重要とされるが、多くの看護組織ではその認識が共有されていなかったり職場風土などに問題があるなど課題となっている。
初年度である今年度は、看護組織における合意形成の成立状況と研究成果活用との関連要因を検討する前段階として、研究成果活用の関連要因の再検討を行った。東北地方の中規模病院に勤務する看護職を対象に、研究成果活用の阻害要因と日頃の実践内容の根拠に疑問を持つ経験とその対処法の関連を検討したところ、日頃の実践で疑問を持つ頻度が多い者ほど最新の研究成果の情報不足の認識が高く、疑問を自分で調べることをせず誰かに質問する者ほど研究への苦手意識やマイナスイメージが高い結果となった。一方、研究成果活用意識の職場内不統一や個人目標を考慮した人事との関連性は認められなかった。これらから、個々の看護師が抱いた疑問を組織で共有する意識や取り組み状況、および情報検索能力、読解能力といった研究能力の向上の取り組みが関連要因として考えられる。その他、今回の調査では意識の統一や個人のキャリア開発に関する要因との関連性は認められなかったものの、ファシリテーションやキャリアデザインは組織の在り方に関する重要な概念となっていることから、継続して検討する必要があると考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成24年度は初年度として看護組織における合意形成の成立状況と研究成果活用との関連要因の調査を全国の看護管理者を対象に実施する予定であったが、研究成果活用との関連要因の再検討が必要と判断されたため実施できず、やや遅れている。ただし、これまで指摘されていなかった新たな関連要因(看護師の疑問を組織的に情報化する取り組みなど)が発見できたことは評価できると考えている。

今後の研究の推進方策

看護組織における合意形成の成立状況と研究成果活用との関連要因について検討を進めていく。研究成果活用上の阻害要因と本研究でねらいとしている看護組織における合意形成およびそれらとの関連性が予測される看護師の疑問を組織的に情報化する看護部の取り組みや、組織づくりの重要概念であるファシリテーション、キャリアデザインとの関連性について、全国の看護管理者を対象に統計学的に検討していく。
また、先の調査から、先駆的・効果的に合意形成を推進する組織的取り組みを抽出しインタビュー調査を行い具体的に記述すること、そして、それらを参考に研究成果活用の促進モデル案を作り、全国の看護職を対象としたアンケート調査からモデルを検証していく。

次年度の研究費の使用計画

平成25年度は、全国の約1000病院の看護管理者を対象にアンケート調査と、先駆的・効果的な実践例を有すると考えられる看護管理者へのインタビュー調査を予定している。調査計画をさらに充実させるために必要な看護管理、人材育成、分析方法等の書籍やプレテストの郵送費やデータ整理のための人件費、分析のためのソフト等の購入、情報収集のための関連学会の参加費、研究対象者との打合せ、インタビューの旅費等が必要となる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 東北地方の中規模病院における看護師の研究成果活用の阻害要因と背景要因

    • 著者名/発表者名
      遠藤良仁
    • 学会等名
      第5回岩手看護学会学術集会
    • 発表場所
      岩手県立大学

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公開日: 2014-07-24  

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