研究課題/領域番号 |
24593213
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研究機関 | 群馬県立県民健康科学大学 |
研究代表者 |
小倉 敏裕 群馬県立県民健康科学大学, 診療放射線学部, 教授 (40369369)
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研究分担者 |
土井 一浩 群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 講師 (70381308)
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キーワード | 看護教育 |
研究概要 |
誤嚥性肺炎は嚥下性肺炎ともよばれ、誤嚥を契機として発生する。誤嚥に対する適切な対応を迅速に実施できるか否かは患者の生死にも関わる。看護学生に『看護基本技術』の学習項目の呼吸・循環を整える技術として、誤嚥の発症メカニズムを正確に理解、習熟させる必要がある。そこで、非侵襲的に看護学生が実践に近い状態で、嚥下機能のメカニズムを習得させることができる教育システムの構築を行った。まず、頸部Computed tomography(CT)のデータを使ったバーチャル内視鏡技術を用い口腔、咽頭、喉頭内部の仮想内視鏡画像をリアルタイムに表示できるようにした。また、仮想内視鏡だけでなく、頸部の三次元画像を構築できるようにし、気管部分の抽出、筋肉部分の抽出、骨のみの抽出、口腔内空気部分の抽出など、任意部位の三次元画像構築ができるようにした。このような画像処理を組み合わせることにより頸部の三次元画像上に仮想内視鏡視点視野の位置と方向を表示させることができることを確認した。さらに唇からの距離も測定し表示させ、各臓器からの距離の測定も測定が可能であることを確認した。この表示によって、仮想ドレーンを挿入した時の先端画像および、頚部三次元画像上における仮想ドレーンの位置を表示できることを確認した。頸部の画像構築CTデータは高倍率で圧縮し、三次元画像構築ソフトウエアとともに各学生のパソコンにインストールできるようにした。このことにより、各看護学生が自宅でも口腔、咽頭、喉頭内部の仮想内視鏡画像や、頸部三次元画像を観察できるようになった。本研究の内容は2013年10月に東京大学で開催された第1回看護理工学会学術集会にて、小倉敏裕,土井一浩:仮想頸部内視鏡を用いた嚥下メカニズム教育システムの構築として発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
口腔内深部は直接観察できる部位ではないため、技術指導に困難が伴い、安全にかつ多方向から口腔内深部が観察できる状態での指導が望まれる。本研究ではCTデータを用い、仮想内視鏡画像および頚部三次元画像を構築し、任意の口腔内の仮想内視鏡画像をリアルタイムに観察できるシステムを構築した。そして解剖学的位置、距離的な関係を明らかにし、安全かつ非侵襲的に看護学生が実践に近い状態で、誤嚥の発症メカニズムを習得させることができる教育システムの構築を行った。さらに授業に取り入れ、看護学生に実際にパソコンを操作させ、口腔内の仮想内視鏡表示とともに、頸部三次元画像を構築させ、看護学生として全く新しいタイプの授業を経験させた。さらに、個人的に学習できるよう、高い倍率で圧縮した頸部画像データとともにソフトウエアをCDRに焼き付け配布し、そのソフトウエアのインストール方法を解説した。使用方法は配布したCDRに添付したが、使用方法を説明したプリント用紙も同時に配布し解説を行った。このように本研究は着々と進行し、看護学生に実際に体験してもらえるまでになった。また、操作を行うための教育用ビデオの作成のための高性能な専用PCを作成し、現在稼働中である。一方、口腔内を観察する簡易型内視鏡カメラを導入したが、解像力が低く、仮想内視鏡画像の画質には及ばなかった。
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今後の研究の推進方策 |
本研究で作成した仮想内視鏡画像を用い口腔, 咽頭, 喉頭内の観察実習実施する。本観察実習では仮想内視鏡画像の表示とともに、舌の形状、喉頭蓋や咽頭筋の位置を視覚的に確認させ、嚥下のメカニズムを学習させる。観察実習ではモデル人形を用いた嚥下メカニズムの学習のみの学習と、仮想内視鏡および頚部三次元画像を用いた口腔、咽頭、喉頭観察システムを併用した場合の教育効果を比較し、アンケート解析により学習効果を土井一浩、小倉敏裕が調査する。また、三次元構築画像を利用した口腔、咽頭、喉頭観察システムの教育用ビデオを近年汎用ビデオとして出現してきた高品位のビデオ規格で作製する。 本研究内容は看護理工学会をはじめ国内外の医用画像情報系の学会、日本放射線技術学会などにも発表を予定している。また、積極的にThe European Society of Gastrointestinal and Abdominal Radiology, Radiological Society of North AmericaやThe European Congress of Radiologyなどの国際学会に出席し,最新の画像処理技術を習得する。
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次年度の研究費の使用計画 |
前年度購入を予定していた高規格、高画質ビデオレコーダーの販売が遅れており、購入が不可能であったため。 今年度高規格、高画質ビデオレコーダーを購入し、教育用ビデオを作成する予定である。
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