研究課題/領域番号 |
24593215
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研究機関 | 東京有明医療大学 |
研究代表者 |
五味 敏昭 東京有明医療大学, 看護学部, 教授 (00104159)
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研究分担者 |
國澤 尚子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (20310625)
西原 賢 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (80336495)
平田 美和 東京有明医療大学, 看護学部, 講師 (10325988)
成瀬 秀夫 東京有明医療大学, 保健医療学部, 教授 (40563416)
木村 明彦 東京有明医療大学, 保健医療学部, 准教授 (80120260)
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キーワード | 超音波エコー装置 / 映像解剖学 / 肘窩 / 注射部位 / 正中神経 / 上腕動脈 / 神経損傷 / 血管損傷 |
研究概要 |
1.目的:日常的に臨床の現場で行われている肘窩における採血・静脈注射において神経・血管損傷等の医療事故が多発している。このような背景には医療従事者が肘窩の刺入部位近傍の皮静脈および神経(正中神経)、血管(上腕動脈・上腕静脈)についての正確な解剖学的知識を有していないことが挙げられる。 今回、肘窩刺入部位深部の上腕二頭筋の内側に存在する血管神経束(正中神経・上腕動脈・上腕静脈)について、主に深度(距離・角度)について映像解剖学的(超音波エコー)に検討した。 2.方法:今年度は被験者158名(男性43名、女性115名、平均年齢20.8±2.6歳)の協力を得て、上腕骨の内側上顆(A)と外側上顆(B)を結ぶ線(Huter線)を基準線ABとして撮像した。エコー装置はAplio300(Toshiba)を用い、基準線ABの中点から正中神経、上腕動脈、上腕静脈までの距離と角度(中点からの垂直軸との角度)について検索した。(倫理的配慮):本実験に関しては大学倫理委員会の許諾を得た。 3.結果と考察:正中神経、上腕動脈、上腕静脈から成る血管神経束は上腕二頭筋腱の内側に位置していた。さらに基準線ABの中点から正中神経、上腕動脈、上腕静脈までの距離と角度はそれぞれ22.3±5.5mm、68.5±4.9度、19.2±4.8mm、69.2±6.8度、20.2±5.7mm、69.8±8.6度であった。また正中神経、上腕動脈、上腕静脈の位置関係は様々であったが、正中神経が一番内側(尺側)に存在する割合は全体の56.4%であった。尺側皮静脈、尺側正中皮静脈は血管神経束と近接していて、刺入する際には注意を要する。 4.今後の展開:前年度107名、今年度158名について撮像を行った。次年度も今年度同様150名以上の撮像を行い、データを集積し、皮静脈・神経・血管の位置関係について立体構築を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上腕骨の内側上顆と外側上顆を結ぶHuter線を基準線として、この基準線上で超音波エコー装置(Toshiba Aplio300)を用いて前年度107名、今年度158名について皮静脈、および深部に存在する血管神経束(正中神経・上腕動脈・上腕静脈)を撮像した。 各皮静脈(尺側皮静脈、肘正中皮静脈(尺側正中皮静脈、橈側正中皮静脈)、橈側皮静脈)、の径の計測、および上腕二頭筋内側に位置している血管神経束(正中神経・上腕動脈・上腕静脈)の位置関係、深度(距離・角度)の検索は順調に進展しており、新知見が得られた。また正中神経・上腕動脈・上腕静脈のHuter線の中点からの距離の分布パターンを6型に分類し、それぞれの割合についての新知見が得られた。 研究成果については日本解剖学会(平成26年3月)で発表した。
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今後の研究の推進方策 |
次年度(最終年度)は今年度と同様に150名以上の撮像を予定し、撮像・読影に関して専門家による指導、さらに得られたデータの統計的解析を行い、皮静脈・神経(正中神経)・血管(上腕動脈、上腕静脈)の位置関係について総合的な立体構造構築を行う。また体表観察による皮静脈の観察と分類を行う。 研究成果については日本看護学教育学会(平成26年8月)、日本解剖学会(平成27年3月)等で発表し、研究報告書(冊子)として刊行する。
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度は超音波エコー装置の借用に費用がかからなかったために、次年度使用額とすることができた。 次年度(最終年度)は今年度と同様に150名以上の撮像を予定し、撮像・読影に関して専門家による指導、さらに得られたデータの統計的解析を行い、皮静脈・神経(正中神経)・血管(上腕動脈、上腕静脈)の位置関係について総合的な立体構造構築を行う。また体表観察による皮静脈の観察と分類を行う。 研究成果については日本看護学教育学会(平成26年8月)、日本解剖学会(平成27年3月)等で発表し、研究報告書(冊子)として刊行する。
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