研究課題/領域番号 |
24593217
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研究機関 | 聖路加国際大学 |
研究代表者 |
吉田 千文 聖路加国際大学, 看護学部, 教授 (80258988)
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研究分担者 |
山田 雅子 聖路加国際大学, 看護学部, 教授 (30459242)
伊藤 隆子 順天堂大学, 公私立大学の部局等, 教授 (10451741)
雨宮 有子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 准教授 (30279624)
亀井 縁 日本赤十字看護大学, 看護学部, 助教 (90624487)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 地域包括ケア / 看護管理学 / アクションリサーチ / 看護哲学 / 概念創出 |
研究実績の概要 |
前年度までに行った研究者ワークショップ、看護管理実践者との合同ワークショップ、及び学会等での討論の全25回を振り返り「地域包括的視点に基づく看護管理学」の中核概念を探究するワークショップを、方法論の専門家の支援を得、ソフトシステムアプローチに基づくアクションリサーチ(以下、SSM-AR)の手法に沿って5回行った。また研究フィールドの研究協力者と共に研究を通して得たアイディアを学会、誌上等で公表・発信し多様な研究者・実践者との意見交換を通して精錬させ、その成果を報告書としてまとめた。 本研究で見出した地域包括的視点に基づく看護管理学の中核概念は以下の通りである。①看護すること:自身や他者を気遣い世話することで、専門職だけではなく全ての人が行う行為。人は元来看護する力を持っている。②地域:単に物理的空間だけではなく、世代・近隣・講などの人々の重層的関係が存在する複雑な「場」。元来看護する力が備わっている。③看護専門職:人々や地域への信頼をもとに、個々に異なる世界観と専門職の世界観の間を行き来でき、個人の価値観・ペース・心身の状況に合わせて自らの役割を柔軟に変化させ、支え続けていく存在。④専門職連携:それ自体が目的ではなく各専門職者のより良い実践の結果として生まれるもの。⑤地域包括的な視点に基づく看護管理:地域は多様さと複雑さが存在する「場」であり、計画やルールでは対応できない出来事が多い。そのため厳密な計画や役割に基づく活動よりも、個人がその時、その状況でよりよいあり方に向けた方法を学び、対応していくことが重要で、ルールを越えた創造的挑戦的な行動も必要。したがって、地域包括的視点に基づく看護管理とは人々を統制することではなく、地域の人々と看護専門職、そして「場」の持つ看護の力が発揮されるよう、人々を力づけ、ともに学習し続けること、学習し続ける仕組みを創ることである。
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