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2012 年度 実施状況報告書

背部温罨法の作用機序モデルの構築

研究課題

研究課題/領域番号 24593220
研究種目

基盤研究(C)

研究機関横浜市立大学

研究代表者

塚越 みどり  横浜市立大学, 医学部, 准教授 (60405016)

研究分担者 船越 健悟  横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60291572)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード温罨法 / 皮膚血流 / 皮膚温
研究概要

本研究は60℃背部温罨法の効果について知覚神経と皮膚交感神経の関連より解析し、背部温罨法の作用機序モデルを構築することを目指している。昨年度までの研究成果として、60℃仰臥位の背部温罨法は、上肢各部の皮膚温を上昇させ、特に手の皮膚温が上昇することがわかっている。本年度は、上肢のほかに下肢皮膚温を含めて作用範囲を検討した。健康な成人女性3名(年齢20~22歳)を対象とし、60℃10分間の背部温罨法を仰臥位で実施した。背部、指尖、足趾の皮膚温と背部、指尖の皮膚血流を測定し、各対象者の皮膚温の変化、皮膚血流の変化割合について対象者間で比較した。その結果、皮膚温は罨法開始後、背部、指尖、足趾の順に上昇していた。罨法後、背部の皮膚温は低下するが指尖と足趾の温度は測定終了まで上昇を続けた。安静時を基準とした指尖皮膚血流の変化の割合は罨法実施中、対象者Aでは140%、Bは130%、Cは160%まで上昇し、終了後30分まで3名とも実施前より高く経過した。一方、罨法実施中の足趾皮膚血流の変化割合は対象者Aでは安静時の110%、Bは89%、Cは74%であり、指尖より増加率は低く、一時的に減少する対象者がいた。罨法後は3名とも実施前の皮膚血流より増加する傾向が観察された。また、3名とも罨法後は手と足の温かさを自覚した。以上から、この3名においては、罨法によって指尖皮膚血流量は実施中から終了後30分まで安静時よりも増加するが、足趾皮膚血流量の増加率は指尖より低く、血流が増加する対象者と減少する対象者がいたことから、皮膚温と同期しない可能性もある。今後も対象者数を追加し、継続して実験を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

対象者数が予定数に達していないので現在も追実験を行っているが、現段階の予測として下肢の皮膚温、皮膚血流よりも上肢皮膚温、皮膚血流へ及ぼす影響が大きいと考える。

今後の研究の推進方策

本年度は、ラットを用いた実験により、背部の筋、血管に投射する神経の性質を検討する。これまでに背部の筋血管周囲に分布する自由神経終末と投射する神経節に温熱受容体であるTRPV1、TRPV2、TRPV4を確認している。
予定している実験は、以下である。
成熟ラットを全身麻酔下において最小限の苦痛をなるように配慮し、背部の筋、手の血管に逆行性標識物質を注入する。後日、灌流固定し、神経節を採取して凍結切片を作成し、免疫組織学的手法を用いて、投射する交感神経、知覚神経の性質を分担研究者、連携研究者と検討する。このほか、僧帽筋内のTRPV3受容体の分布、共存する神経ペプチドについても検討し、皮膚、筋血管の血流調節と温罨法の作用機序を神経、形態からも検証する。

次年度の研究費の使用計画

消耗品が予定より安価であっため、本年度に充当する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 背部温罨法における指尖・足趾皮膚血流の検討

    • 著者名/発表者名
      塚越 みどり
    • 学会等名
      第17回日本看護研究学会東海地方会
    • 発表場所
      北里大学(神奈川県)

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公開日: 2014-07-24  

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