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2014 年度 実施状況報告書

外来機能の強化による医療関連感染予防のための連携システム開発と評価

研究課題

研究課題/領域番号 24593225
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

矢野 久子  名古屋市立大学, 看護学部, 教授 (00230285)

研究分担者 堀田 法子  名古屋市立大学, 看護学部, 教授 (90249342)
脇本 寛子  名古屋市立大学, 看護学部, 准教授 (40336706)
市川 誠一  名古屋市立大学, 看護学部, 教授 (90106302)
前田 ひとみ  熊本大学, その他の研究科, 教授 (90183607)
戸苅 創  名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (50106233) [辞退]
鈴木 幹三  名古屋市立大学, 看護学部, 客員研究員 (90507807)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2016-03-31
キーワード感染予防 / 職業感染
研究実績の概要

医療関係者は,ワクチンで予防可能な感染症に対して免疫を獲得することが推奨されている.免疫を獲得しないまま短時間に多数の人が交差する外来業務に携わることは,感染リスクが大きい.本研究の目的は,多職種で構成される外来職員のウイルス疾患の免疫獲得状況およびワクチン接種への考え方を併せて解析し,ワクチンプログラムの構築に向けた今後の課題を明らかにすることである.今年度は,3施設の外来職員428名(医療職329名,非医療職99名)の解析を進めた.本研究の測定による抗体陽性者は,医療職 vs 非医療職で解析すると,風疹とB型肝炎には有意差があった.年齢別では,40歳未満と40歳以上の2群に分けて比較したところ,麻疹で有意差があった.本研究では,「外来勤務において免疫を持っているか,もしくはワクチン接種をした方がよい」と回答したのは麻疹,風疹,水痘,流行性耳下腺炎の4疾患において約7割に満たず,医療者として免疫を獲得しておくことの重要性が十分に理解されていなかった.更に,「免疫が出来ていなくてもワクチン接種をしない」と回答した者は54名で,全ての職種に存在していた.この54名中22名は4疾患いずれかの抗体陰性者もしくは判定保留であった.「免疫が出来ていなくてもワクチン接種をしない」と回答した理由は,「理由なし」が最も多く,ワクチン接種不適当者は5名(9.3%)のみであった.「理由なし」,「罹らないと思った」や「家族が罹患しても罹らなかった」との回答者には,丁寧なワクチン接種に向けた対策を実施する必要がある.医療関係者であっても,抗体検査結果を返却するのみではなく,個々の状況に応じて丁寧に説明しワクチン接種を推奨する重要性が明らかになった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

外来多職種職員428名の職種別(医療職,非医療職),年代別(40歳未満,40歳以上)、性別,雇用形態別(常勤,非常勤)などの解析を進めることが出来たため.

今後の研究の推進方策

これまでの調査結果を踏まえて,感染管理認定看護師などがおり,感染予防対策に関する活動が十分になされていると考えられる病院を対象に調査を実施する.

次年度使用額が生じた理由

本年度は,これまでの成果の公表に時間を要した.また,最終調査のための準備を実施しており,使用額が生じた.

次年度使用額の使用計画

これまでの成果を盛り込んだ調査票を配布し,解析する予定である.併せて成果の公表を行っていく.

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2015 2014 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (5件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 外来職員における麻疹,風疹,流行性耳下腺炎,水痘に対する免疫獲得状況とその解析2015

    • 著者名/発表者名
      脇本寛子,矢野久子,堀田法子,市川誠一,鈴木幹三
    • 雑誌名

      名古屋市立大学看護学部紀要

      巻: 14 ページ: 35-42

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 外来職員のB型肝炎に対する免疫獲得状況と課題~医療職と非医療職との比較~2015

    • 著者名/発表者名
      矢野久子,脇本寛子,青山恵美,堀田法子,市川誠一,鈴木幹三
    • 雑誌名

      名古屋市立大学看護学部紀要

      巻: 14 ページ: 43-50

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 外来多職種職員のB型肝炎ウイルスに対する免疫獲得状況とその課題-予防接種プログラム構築に向けた検討-2015

    • 著者名/発表者名
      脇本寛子,矢野久子,青山恵美,堀田法子,前田ひとみ,鈴木幹三
    • 学会等名
      第30回日本環境感染学会
    • 発表場所
      神戸国際展示場
    • 年月日
      2015-02-21 – 2015-02-21
  • [学会発表] 外来職員の麻疹,風疹,水痘,流行性耳下腺炎ウイルスの免疫獲得状況―施設間比較による予防接種プログラム構築に向けた検討―2014

    • 著者名/発表者名
      脇本寛子,矢野久子,青山恵美,堀田法子,前田ひとみ,市川誠一,鈴木幹三
    • 学会等名
      第18回日本ワクチン学会
    • 発表場所
      福岡国際会議場
    • 年月日
      2014-12-06 – 2014-12-06
  • [学会発表] 外来職員の麻疹,風疹,水痘,流行性耳下腺炎ウイルスの免疫獲得状況―過去の抗体検査歴との比較による予防接種プログラム構築に向けた検討―2014

    • 著者名/発表者名
      青山恵美,脇本寛子,矢野久子,堀田法子,市川誠一,鈴木幹三
    • 学会等名
      第18回日本ワクチン学会
    • 発表場所
      福岡国際会議場
    • 年月日
      2014-12-06 – 2014-12-06
  • [学会発表] 多施設における外来職員の麻疹,風疹,水痘,流行性耳下腺炎ウイルスに対する免疫獲得状況とその解析2014

    • 著者名/発表者名
      脇本寛子,矢野久子,青山恵美,前田ひとみ,堀田法子
    • 学会等名
      第34回日本看護科学学会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場
    • 年月日
      2014-11-29 – 2014-11-29
  • [学会発表] 多施設における外来職員のウイルス疾患の免疫獲得状況と感染症の流行情報源に関する課題2014

    • 著者名/発表者名
      矢野久子,脇本寛子,青山恵美,前田ひとみ,堀田法子
    • 学会等名
      第34回日本看護科学学会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場
    • 年月日
      2014-11-29 – 2014-11-29
  • [備考] 名古屋市立大学看護学部・看護学研究科 感染予防看護学

    • URL

      http://nurs.med.nagoya-cu.ac.jp/kansen.dir/index.html

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公開日: 2016-05-27  

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