研究課題/領域番号 |
24593229
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
中山 由美(平野由美) 摂南大学, 看護学部, 講師 (90346239)
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研究分担者 |
細田 泰子 大阪府立大学, 看護学部, 准教授 (00259194)
星 和美 大阪府立大学, 看護学部, 教授 (40290358)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 看護教育 |
研究概要 |
本研究は、救急領域に勤める新人看護師が必要とする教育的支援が、教育指導担当者から実施されるように、新人看護師を指導する教育指導担当者への教育育成プログラムを作成し、実践・評価することを目的とする。 平成24年度は、文献検討を行い、また研究代表者が行っていた先行研究の「救急領域の新人看護師が必要とする教育的支援の測定用具の作成」等の結果を分析した。結果、救急領域の新人看護師が必要とする教育指導担当者からの教育的支援は、【救急ケア時の心情理解と承認】【救急ケア時のバックアップ】【救急ケアの情報提供】【医師との情報共有】【患者・家族への救急ケアのモデリング】【救急ケア実践のための教育環境づくり】の6因子、44項目で構成された。「教育的支援」「自尊心」「ストレス反応」「ストレス要因」を潜在変数とし共分散構造分析を行った結果、「教育的支援」が「自尊心」を高め、間接的に「ストレス反応」を軽減すると共に、「教育的支援」が「ストレス要因」を軽減し間接的に「ストレス反応」を軽減するという双方の影響により新人看護師の「ストレス反応」を有意に軽減することが明らかとなった。背景による各尺度の因子の比較では、入職当初に教育指導担当者と新人看護師が同じ勤務になるように配慮することと教育指導担当者への指導者を配置することで、新人看護師が認知する「教育的支援」が高く、「ストレス要因」「ストレス反応」が低いことがわかった。 これらの結果は、教育指導担当者への教育育成プログラムを作成する一資料となる。この結果を踏まえて、自尊心を高める関わり方や新人看護師が必要としている「教育的支援」の内容を教育指導担当者に講義すること、施設の教育体制を整えること等を管理職者に説明すること等をプログラム内容に取り入れることを検討している。 教育指導担当者とは:プリセプターや日々の新人看護師への実践指導や精神的フォローを行う者。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、救急領域に勤める新人看護師が必要な教育的支援が、教育指導担当者から実施されるように、新人看護師を指導する教育指導担当者への教育者育成プランを作成し、実践・評価することを目的とする。 当該年度は、研究代表者が行っていた先行研究の結果を明らかにし、教育指導担当者への教育者育成プランを検討することを計画していた。 達成状況としては、前述したように研究代表者の先行研究により、救急領域の新人看護師が必要としている教育的支援を因子分析にて抽出し、また共分散構造分析を行い、自尊心を高めることが新人看護師のストレス反応を軽減する、教育的支援がストレス要因を軽減し、自尊心を高めることが明らかとなった。このように、文献検討や先行研究の検討を行い、教育者育成プランの内容を検討しており、研究遂行にあたっては、ほぼ計画していたとおりであったと考える。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は、研究分担者や研究協力者と会議を重ね教育者育成プランを作成する。また作成した教育者育成プランを実施した時の評価方法について、調査用紙の自由記載内容や使用する尺度について検討する。 次に、新人看護師の自尊心を高める教育方法などについて、教育学の専門家と連携を持ち講義内容について検討を重ねる。 救急領域の調査に協力していただける施設を3施設ほど依頼し、調整を行っていく。先行研究にて明らかとなった教育的支援の内容について、対象施設の現状を対象施設の看護管理者と評価・考察し、教育者育成プランを検討明確にし、次年度の調査実施を目指す。
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次年度の研究費の使用計画 |
設備備品費として、図書購入などを行う。また調査依頼などを行っていくため消耗品費で文具を購入する。旅費では、研究分担者や研究協力者、専門家との会議を行うため、交通費が必要となる。また学会に参加し、研究に関する情報を収集する。
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