研究課題/領域番号 |
24593232
|
研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
三宅 一代 兵庫県立大学, 看護学部, 准教授 (50364047)
|
研究分担者 |
片田 範子 兵庫県立大学, 看護学部, 教授 (80152677)
|
キーワード | 災害看護 / 小児看護学 / ケアパッケージ / シミュレーション |
研究概要 |
【目的】『小児病棟用ケアパッケージ(以下ケアパッケージと略す)』を2008年~2012年に活用した施設の看護師に質問紙ならびに面接調査を行い、ケアパッケージの導入方法や活用状況、病棟に合わせて追加した項目や導入による具体的な備え行動、ケアパッケージ活用による具体的な効果などを明らかにする。【方法】①質問紙調査②半構造的面接調査【対象者】2007年~2012年にケアパッケージを導入した施設で、導入を希望または活用の中心となった看護師1施設1~2名、本人の同意ならびに施設の了解が得られた看護師。【結果】①質問紙調査については、施設16施設中8施設の看護師より回答が得られた。②半構造的面接調査では、看護師13名の協力があった。施設の内訳は、専門病院1施設、総合病院4施設、療育施設1施設であった。ケアパッケージの導入時期は平成18年~24年であり、全施設が何らかの形でケアパッケージを継続して活用していた。ケアパッケージ導入するに至った経緯は、大規模災害の発生による危機感や防災マニアルの見直し、看護研究、小児看護の学会でのテーマセッションがきっかけとなっていた。ケアパッケージを導入するまでに、災害発生時のアナウンス内容の追加、病棟の管理台帳と統合させた項目シートの作成など各病棟に合わせて変更や追加を行っていた。導入の効果については、全施設が非常電源や避難経路についてスタッフ自身が確認するようになったなどケアパッケージ導入の効果があったと回答しつつも、語りの中で同じことを継続するデメリットとしてマンネリ化を挙げており、ケアパッケージによりシミュレーションから行動に移すための具体的な方策を立てていた。今回ケアパッケージを継続して活用している背景には、導入時に中心となった看護師の災害への感受性が高く、維持できていることが病棟スタッフの取り組みに影響していると考える。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、半構造的面接調査を行い、内容の分析を行うまでを計画していた。対象看護師13名(専門病院1施設、総合病院4施設、療育施設1施設)の半構造的面接調査を完了している。インタビューデータを委託会社に依頼しデータ化を行った。また、インタビュー調査時に病院や施設を見学し、実際に行っている具体的な対策をタブレットで画像化しインタビューデータとあわせて、研究の目的である小児の特性や施設や病棟の特殊性などと備え行動への影響や関連する内容を各施設ごとに行っている最中であることから、年度内の計画をおおむね達成できていると考えている。
|
今後の研究の推進方策 |
【2014年度】本研究は、終了年度となるため研究成果のまとめとして、小児病棟用ケアパッケージの導入効果と小児ならではの災害への備えの特性の明確化を行うことである。今回の研究結果から、ケアパッケージの実践編としての研究成果に加えて、看護師への半構造的面接調査にて、このツールによって効果はこのツールを活用を促進した看護師の効果といった相乗効果がもたらすものともとれる内容も含まれている。よって、このツールのもつ効果の抽出、促進する看護師の要素についても明らかにする必要があるのではないかと考えている。
|
次年度の研究費の使用計画 |
災害に関する新たな知見を得るための予定されていなかった講演会に参加した。 旅費)東京都丸の内、丸の内ホールで開催された『災害看護における倫理的課題、災害時の倫理と看護実践』講師:アンJデイビス、サマンサ・パン講演会に参加した。
|