本研究では、避難所での災害看護の知識や技術を習得することを目的として、体験型の新しい教育方法を開発した。この教育では、看護師と被災者のシナリオを用いてロール・プレイ(演技)を行い、受講者が看護師と住民の両者の役割を演じながら、擬似的に被災者支援を体験するものである。この教育の効果を調べた結果、98%の受講者が被災者の気持ちを知ることの大切さを理解できていた。同様に、87%が避難所での救護・輸送・トリアージ以外の役割があることを理解できていた。以上より、この教育によって、災害看護の支援活動の場面で、被災者に不快な思いをさせたり、彼らの心を傷つけたりするような失敗が減らせるのではないかと思われる。
|