研究課題/領域番号 |
24593235
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 県立広島大学 |
研究代表者 |
日高 陵好 県立広島大学, 保健福祉学部, 准教授 (90348095)
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研究分担者 |
矢野 美紀 県立広島大学, 保健福祉学部, 准教授 (80347624)
伊藤 良子 県立広島大学, 保健福祉学部, 助手 (70594430)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 災害看護 / 周産期 / リスクマネジメント / マニュアル |
研究概要 |
予備調査では岩手県の病院2施設(釜石病院、大船渡病院/岩手県)を訪問して看護部長、産科師長、スタッフ、DMATの方々に面接調査を行った。これに加えて24年度はスズキ記念病院(宮城県岩沼市)、石巻赤十字病院(宮城県石巻市)、いけの産婦人科(宮城県塩釜市)、桂高森SSレディ-スクリニック(宮城県仙台市)、日本赤十字社医療センター(東京都)、聖母病院(東京都)を訪問して関係者に面接調査を行った。成果の半分については日本災害看護学会第14回年次大会(平成24年7月28日29日愛知)にて発表した。成果の全容については平成25年度の日本看護協会母性看護の学会(平成25年9月岡山)にて発表予定である。 これまでの調査から各施設の地域における役割、機能の違いによる災害への備えの違いが明確になったことと、災害時の被災度合いにより災害時対応が変わってくることがわかった。そして災害に備えての事前の十分な準備の重要性が浮き彫りとなった。阪神・淡路大震災を受けて、積極的に施設を災害に備えて改良したり、災害時対応のマニュアル化を行い、訓練をしていたことが今回の震災に大いに役立っていた。今回の被災病院では地震がくるという予知のもと事前の準備が多くなされていたことが功を奏した。ただ、津波を想定していなかったり、産科独自のマニュアルの整備は遅れていたので、この震災を機に見直しが継続中であった。 上記の内容を具体的に成果として発表する予定である。これを受けて、これまであまり災害時対応への取り組みがなされていない施設、そして災害時の周産期対応についてマニュアル化等がこれからである施設への啓発・参考資料となることを望む。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
この研究は、周産期における災害時対応のためのリスクマネジメントを強化するためであり、最終的にはモデルマニュアルを作成することが目的である。平成24年度は被災施設を訪問し、周産期関係者に面接調査を行うことを計画していた。当初の予定通り6施設の被災病院での面接調査が終了した。加えて、周産期の災害への取り組みに詳しい3施設での面接調査も行うことができた。周産期における災害時対応について十分な情報収集ができたと考えている。今年度、この成果を発表する予定である。また、これまでの成果を論文にしていくことも考えている。よって今年度の予定は成果の発表をH25年に行うことですべて達成したと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は震災当時妊婦・産婦・褥婦だった方々をリクルートして面接調査を行う予定である。患者側、ケアを受ける側の視点から周産期における災害時対応について考察していくためである。一番の難点は研究協力者をいかにしてリクルートできるかということにあると思う。現在、新聞、テレビからの情報で二人の方への面接が決定している。ここから紹介してもらうことと(雪だるま方式リクルート)、被災県に赴き、保育園等でリクルートすることを考えている。 医療者側からの視点とケアを受ける側の視点を合わせて、周産期における災害時対応について考えていく。その後(平成26年)は阪神・淡路大震災や中越地震等での教訓、学びも含めて、関係者や文献からも情報を集めていく。最終的に、これらをまとめて、周産期における災害時対応について、多くの産科施設で参考となるような資料、モデルマニュアルを作成する。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究費の大半は被災地への旅費と考えている。研究協力者への謝礼として図書券の購入を考えている。物品はインタビューのためのカセットテープ、インク等である。
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