研究課題/領域番号 |
24593238
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大分県立看護科学大学 |
研究代表者 |
佐伯 圭一郎 大分県立看護科学大学, 看護学部, 教授 (50215521)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 統計教育 / 統計リテラシー / 看護研究 / 看護系大学 |
研究概要 |
看護系大学協議会加盟209校の統計教育の担当者(専任教員不在の場合は看護教育課程の長など)を対象に,2012年10~11月に郵送法による無記名自記式アンケート調査を実施した.調査内容は,学部および大学院における統計教育の現状及び学外への統計・研究法に関わる臨床看護研究支援活動の状況である.また,回答者個人の研究支援活動の実体やあり方についての意見・感想を求めた. 回収数は87(回収率41.6%)であり,すべてが有効回答であった.回答者のうち77%が各大学で統計学教育を担当する教員であった.学部における統計学に関する科目の状況は,必修の講義科目が平均で15.2コマ(一部演習を含むとの回答あり),必修の演習科目が平均で6.6コマであった.選択科目を設置しているのは,講義科目で20校,演習科目で11校であった.また大学院修士課程において90%は統計学に関する講義を開講していたが,履修者の到達水準として修士課程修了者が臨床において統計学の指導を十分に行えるとは認識されていない結果であった. 「臨床の看護職者の研究を支援(統計学に限定しない)する組織」が設置されているとの回答は30%であった.また,統計教育担当教員に限定して集計すると,臨床看護職者からの統計に関する相談への対応を年1回上実施しているものは,75.4%であった.その相談の傾向として,高度な内容が多いと答えた者は22.2%に過ぎず,統計学の手法以前の研究上の問題が多いという回答が42.6%であった.臨床看護職者への統計学に関する研究支援の必要性については,低い・大学で養成した看護職には低い,との回答は9.5%であり,全体として必要性は高いという認識であった. 統計学に関するサイト構築については,69.7%が「うまく作成すれば有効なものになる可能性がある」と回答した.また,自由回答では忌憚ない意見をいただくことができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
回収率は40%強と十分に高いとは言えないが,無記名郵送方式としては標準的な水準である.看護系大学における統計学教育の現状と課題が,統計教育担当者の意見も含めて把握できたことは平成24年度の目的を達成していると考える. また,次年度の看護職者への調査に関して,医療施設の看護部長や師長数名から看護研究支援に関する意見の聴取を行うとともに,地元の県看護協会への打診を行っており,準備も進行している.
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今後の研究の推進方策 |
本年度は,臨床看護職者を対象とした統計リテラシーおよび統計教育・研究支援のニーズ調査を行うとともに,サイト構築のためのサーバ導入を行う. 臨床看護職者を対象とした調査は,大分県看護協会会員からのランダムサンプルを対象に無記名郵送式で1,000名を予定している. サーバ導入については,セキュリティおよび設置する大分県立看護科学大学のシステムとの整合性を検討して,設定を確定し,年度内に暫定的なサイトとして稼働を開始する予定である.
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度において,臨床看護職者を対象とした調査票を作成するための「医療施設の看護部の教育担当者からの聞き取り」を十分に実施できた対象数が少なかったため,調査票作成前に前年度分に追加して聞き取りを行うための経費とする予定である.
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