研究課題/領域番号 |
24593244
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
窪田 聡 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 講師 (90433614)
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研究分担者 |
遠藤 豊 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 教授 (90194050)
窪田 光枝 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 講師 (70349900)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ギャッチベッド / ファーラー位 / 姿勢補助具 / 循環器 |
研究実績の概要 |
本研究は,ギャッチベッド上で背上げ姿勢(ファーラー位)となる際に,生体負担を軽減するための姿勢補助具を開発することを目指している.昨年度までの我々の研究により,上部体幹を中心に体幹を起こすことで,循環量の低下,心臓交感神経活動亢進に伴う心拍数の上昇を抑制できることが確認された.この結果より,姿勢補助具は上部体幹を中心に起こすことが可能となる構造であることを目標にし,設計指針を,①既存のベッドに取り付け可能であること,②体幹部は上部と下部それぞれに独立して起こすことが可能であること,③ベッドユーザーの体格の違いに柔軟に対応できることを掲げた.この設計指針を満たすために,補助具使用時の体幹部の支持は下部体幹部を既存のベッドボトム,上部体幹部を姿勢補助具で行うこととした.したがって下部体幹の角度調整は既存のギャッチベッドの背上げ機能を用いて行い,上部体幹は姿勢補助具で行うこととした.検討の結果,姿勢補助具は上部体幹を支えるためのボトム部とそれを起こすジャッキ,ベッドに取り付けるための留め具で構成される,シンプルな構造となった.姿勢補助具は,取り付け位置を任意に設定可能としたため,ベッドユーザーの体格に柔軟に対応可能となった.プレ実験を行ったところ,これまでに我々が作成した実験用ベッドと同様に,上部体幹を中心に起こすことが可能となり,心拍数の上昇を抑えることが可能であることが明らかとなった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ベッドユーザーの体格に柔軟に対応しつつ,上部体幹を任意の角度に設定可能な構造の開発に時間を要した.また,姿勢補助具の上部体幹を支持するためのボトムの材料選定にも時間を要した.そのため,検証実験に遅れが生じたが,現在,補助具は完成し,プレ実験も終了し,検証実験を残すのみとなっている.
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今後の研究の推進方策 |
健常成人10名を対象とし,臥位と背上げ姿勢下で,心電図,血圧,胸郭インピーダンスの測定を行う.背上げ姿勢は,体幹傾斜角度30°,60°,上部体幹60°(下部体幹30°)で測定を行う.なお,上部体幹60°の姿勢は上部体幹を中心にして起こした姿勢である.各姿勢での測定データから,心拍数,一回拍出量,心拍出量,血圧を算出する.それぞれの指標について,一元配置の多変量分散分析と多重比較を行い,これまでの実験用ベッドと同様の結果となるかを比較する.
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次年度使用額が生じた理由 |
姿勢補助具製作に時間を要したため,検証実験の実施が困難となった.そのため,27年度に検証実験を実施することとなり,被験者謝金と消耗品購入費用が必要となった.
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次年度使用額の使用計画 |
27年度には,健常成人10名を対象に検証実験を実施予定であり,補助金は,被験者の謝金と心電図電極,胸郭インピーダンス測定用電極や清拭用アルコール綿等の購入費用として使用予定である.
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