先行研究およびフォーカスグループインタビューの結果より抽出した術前訪問における患者擁護実践をHank(2007)の概念分析を参考に、4因子構造と仮定して質問項目を作成した。内容妥当性について外科医師・手術看護経験がある看護研究者・看護倫理の研究者と検討し、34項目に絞った。併存妥当性の検証のためにHank(2010)の保護的な看護アドボカシースケールを使用することとし、出版社および著者の許可を得て、日本語への翻訳とバックトランスレーションを行った。 日本看護協会HPより医療施設に勤務する361名の手術認定看護師および所属施設を選択し、所属長へ質問紙調査の依頼を行い、手術看護認定看護師および手術室看護師へ調査用紙を配布してもらった。手術看護認定看護師の回収率は43%、看護師の回収率は40%、有効回答率は41%であった。 天井効果・フロア効果を検討し、天井効果が見られた2項目を削除した。4因子構造を仮定していたことから、4因子を想定したプロマックス回転による因子分析を行った。因子負荷量が.35以上を採用し、最終的に18項目となった。4因子はα=.6~.8の信頼性係数が得られた。今後、患者擁護実践評価指標として妥当かについて、保護的な看護アドボカシースケールを用いて併存妥当性の検証を行い、手術室看護師の経験年数や認定の有無、および教育背景と患者擁護実践の関連について検定を行う予定である。
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