研究課題/領域番号 |
24593247
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研究機関 | 共立女子大学 |
研究代表者 |
丸山 昭子 共立女子大学, 看護学部, 准教授 (20338015)
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研究分担者 |
鈴木 英子 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 教授 (20299879)
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キーワード | 看護管理 |
研究概要 |
本研究は、乳幼児を持つ女性看護師のバーンアウトの影響要因を、職場環境および育児環境、ストレスコーピング等より明らかにし、看護師の離職予防や、仕事と育児を両立する上での育児支援の具体策を構築するための知見を得ることを目的としている。 平成24年度はベースライン調査として、全国の300床以上の総合病院(単科の精神病院は除外)のうち、研究協力が得られた23の病院の乳幼児を持つ女性看護師550人から回答を得た。 平成25年度は、まず上記により得られたデータを記述統計で分析し、乳幼児を持つ女性看護師の職場および育児環境、ストレスコーピング、バーンアウトの実態を明らかにした。また、本研究の目的であるバーンアウトの影響要因を明らかにするために、ベースライン調査で既にバーンアウトしている者を除外したコホート集団を追跡する必要があったため、平成24年度のバーンアウト総合得点の上位1/3以上をカットオフポイントとし、バーンアウトしている者を除外したコホート集団を作り、1年後にあたる平成25年度にバーンアウトを再調査した。 現在、回収したデータを入力中であるが、今後は平成25年度のバーンアウト発生の有無を目的変数とし、前年度の職場環境や育児環境、ストレスコーピング等を説明変数とし、多重ロジスティック回帰分析で乳幼児を持つ女性看護師のバーンアウトの影響要因を明らかにしていく予定である。また、その結果をもとに、乳幼児を持つ女性看護師への具体的な育児支援を構築するための知見を考察していきたいと考えている。この結果は、女性看護師が乳幼児を持ちながら離職することなく、看護のキャリアを継続する上で重要であり、中堅看護師の育成や看護師不足にも貢献することが期待できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在、1年後の追跡調査のアンケート用紙のデータ入力を業者に委託している最中である。統計処理はSPSSを使用するので、乳幼児を持つ女性看護師のバーンアウトの影響要因を明らかにするために行なう多重ロジスティック回帰分析には、それ程時間を要しないと考えている。また、その結果をもとに、乳幼児を持つ女性看護師への具体的な育児支援を構築するための知見を得る予定であるが、考察等を含めた時間確保は十分可能であるため、おおむね順調に進展していると評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
業者に委託しているデータ入力が済み次第、SPSSによる解析を実施し、乳幼児を持つ女性看護師のバーンアウトの影響要因を明らかにすると同時に、その結果をもとに仕事と育児の両立支援への知見を考察していく予定である。まず、ベースライン調査で得た乳幼児を持つ女性看護師のバーンアウトの実態を、平成26年6月に日本精神保健看護学会で発表することになっているが、バーンアウトの影響要因についてはデータ解析後に、国内外の看護系学会に発表し、学会誌への投稿を積極的にしていく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初計画していたアンケート入力の業者委託時期が、アンケート回収や整理に手間取ったため今年度中に間に合わず、次年度に持ち越されたことと、本研究の目的であるバーンアウトの影響要因を解析する上で、多重ロジスティック回帰分析は不可欠であるが、それを行なう統計ツール(SPSSアドバンス版)の購入がデータ入力の遅延により、遅れているために持ち越し金額が生じた。 現在、データ入力を業者委託しており、納品時に入力費用の請求が生じることと、統計ソフトのSPSSアドバンス版の購入に持ち越し金を使用する予定である。
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