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2015 年度 実績報告書

看護技術の構成要素と効果―看護技術の確立に向けて

研究課題

研究課題/領域番号 24593250
研究機関聖路加国際大学

研究代表者

菱沼 典子  聖路加国際大学, 看護学部, 教授 (40103585)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2016-03-31
キーワード看護技術 / 看護実践 / 看護師―患者関係 / 調査
研究実績の概要

本研究は、看護技術が備えるべき科学性と看護職―病者の人間関係の両側面から、看護技術の構成要素を確定することを目的とした。本年度は、看護技術と人間関係に関する面接調査を終了し、データの分析と論文執筆を行った。便秘症状の緩和を目的とした温罨法の解説書の作成によって、看護技術の構成要素を検証し、看護技術と看護実践の概念を整理した。
2012年に、475名の看護職から自記式無記名による看護技術の実態調査を行った。エビデンスがある看護技術の普及が不十分で、エビデンスに基づかない技術が普及している現状が把握できた。この調査と文献検討から、看護技術は、①その技術を適用する目的、②簡便で確実な方法、③安全性、④生体反応、⑤反応が起こる理論背景、⑥目的を達成できる確立と有効性を科学的に説明できる必要があると結論付けられた。この構成要素に基づいて、便秘症状の緩和を目的とした温罨法の解説書の作成を試み、妥当性を検証した。
人間関係と看護技術に関して、2014~15年に165名の看護職に自記式無記名の質問紙調査と、8名への面接調査を実施した。その結果、99.4%の看護職が病者との関係性の良し悪しを感じており、約60%は看護技術の効果に影響すると答えていた。関係性が良いとは、看護職に緊張がなく、コミュニテ―ションがとれ、さらに踏み込んでも大丈夫と感じられる関係であり、これは看護技術のパフォーマンスと効果にも影響していた。効果は、技術適用の目的の達成に加え、気持ちいいことや落ち着くことを通して、セルフケアの向上に繋がっていた。病者のみならず、看護職にも向上心や満足感をもたらしていた。
以上本研究により、看護技術の刺激と看護職―病者の人間関係が、看護技術の要素であるという仮説は、看護技術と看護職―病者の人間関係が、看護実践を構成しているに訂正され、看護技術の6要素が明確になった。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 看護職が行うバイタルサイン測定の実態-2012年と2001年調査の比較をふまえた考察-2015

    • 著者名/発表者名
      伊東美奈子,菱沼典子、大久保暢子、加藤木真史、佐居由美、大橋久美子、蜂ヶ崎令子
    • 雑誌名

      聖路加看護学会誌

      巻: 19 ページ: 27-35

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 研究成果を現場に届ける―適切な根拠ある技術を使うために―2015

    • 著者名/発表者名
      菱沼典子
    • 雑誌名

      日本看護技術学会誌

      巻: 14 ページ: 220-222

  • [学会発表] 患者との相性と看護技術への影響に関する看護職の認識2015

    • 著者名/発表者名
      菱沼典子、加藤木真史
    • 学会等名
      日本看護科学学会
    • 発表場所
      広島
    • 年月日
      2015-12-05 – 2015-12-06
  • [学会発表] 患者-看護師の関係性と看護技術への影響に関する看護職の認識2015

    • 著者名/発表者名
      菱沼典子、加藤木真史
    • 学会等名
      日本看護技術学会
    • 発表場所
      松山
    • 年月日
      2015-10-17 – 2015-10-18
  • [学会発表] 便秘症状の緩和のための温罨法Q&A -Ver.2 作成への取りくみ-2015

    • 著者名/発表者名
      塚越みどり,菱沼典子,吉良いずみ,他
    • 学会等名
      日本看護技術学会
    • 発表場所
      松山
    • 年月日
      2015-10-17 – 2015-10-18
  • [図書] ケア技術のエビデンスⅢ:6温罨法技術のエビデンス2015

    • 著者名/発表者名
      菱沼典子
    • 総ページ数
      235ページ中14
    • 出版者
      へるす出版
  • [図書] 看護学への招待:1部5章看護技術と看護実践2015

    • 著者名/発表者名
      菱沼典子
    • 総ページ数
      206ページ中11
    • 出版者
      ライフサポート社

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公開日: 2017-01-06  

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