研究課題/領域番号 |
24593251
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
城生 弘美 東海大学, 健康科学部, 教授 (60247301)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | フィジカルアセスメント / 看護師 / 研修プログラム |
研究概要 |
研究目的:関東近県の総合病院360床において、平成24年度に就職した新人看護師に対し、新人看護師研修の一部分として「呼吸器系のアセスメント方法」を実施した。その後10カ月から11カ月を経た時期に病棟におけるフィジカルアセスメント実施状況の把握とどのようにそれらの観察技術を習得してきたかについて明らかにすることを目的とした。 研究方法:平成24年7月25日に新人看護師16名に対し「呼吸器系の構造と機能を踏まえ、看護師はどのように患者のアセスメントをするか」をテーマに研修を実施した。この研修は講義40分、演習10分、質疑応答10分の時間配分で実施した。その後、調査協力の得られた14名に対し、平成25年1月~2月までの間で面接調査を実施するとともに全身のフィジカルアセスメント項目表に経験実績と本人が認識している自立の程度について記載を依頼した。面接においては「どの時期から自信を持って患者の体が診れるようになったか」「また、五感を使用してのフィジカルアセスメント技術はどのようなプロセスを経て習得してきたか」「先輩看護師から教わったことはどのようなことか」等について約20分から40分の時間で面接した。 結果:面接対象者は男性1名、女性13名で、平均年齢は25.0歳であった。全員が病棟勤務をしており、診療科は当該施設の全領域にわたっていた。業務内で実施しているフィジカルアセスメント項目のうち「バイタルサイン」項目およびSpO2測定、表情・皮膚色・身長体重測定に関しては、全員が7月時点で一人で自立して実施できていると認識していたが、他の項目に関しては実施するのに不安がある状態であった。しかし、眼・耳・鼻・神経や生殖器系のアセスメントは未経験者が多かった。また入職後6カ月頃から業務内容の段取りがわかり、一通りのことが自立できると感じ始める者と8~9カ月頃に自立でき始めたと感じる者が多かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成24年度の予定では看護師経験5年以上の者を対象に進める予定であったが、先行して取っていた新人看護師のデータの中で、フィジカルアセスメントについて先輩看護師からどのような事をどのように教わり、新人看護師の中で習熟できたと認識したフィジカルアセスメントがどのような方法で自分の観察技術になったかに関する新人看護師の認識データを補足したかったため、そのデータ収集に時間を費やした。 また、一年間の経過を想起法で把握したためデータ収集が平成25年1月~2月の間に行った。したがって、データ分析が不十分なところがあり、結果の公開に至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
関連病院の5年以上の経験を有する看護師のうち、本研究の目的に同意の得られた者を対象に、現在の業務の中で実施しているフィジカルアセスメント項目とその内容について、十分活用し看護援助に結びついている項目や内容と実施はしているが看護援助に結びつかずにいる項目内容、今後活用したい項目内容等について調査を実施する。得られた結果からフィジカルアセスメント項目別の優先度及び必要度と患者特性との関連を検討することにより、その技術の難易度を示し、研修プログラム案を作成する予定である。研究方法は、質問紙調査および面接調査を行う。現在、2つの関連病院の看護師(各1名)が関心を示してくれているので、早急に具体的調査項目等を検討する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度にコードレス聴診教育システムの送信機を購入した。受信機も同時に7台購入したが、今年度4台追加購入(556,000円予定)し、計11台を使用することで、フィジカルアセスメントテクニックの一つである聴診法習熟の環境を整備しておきたい。また、看護師に質問紙調査や面接調査を実施する予定のため、データ収集後の入力作業や逐語録作成のための雇用費用として量データ入力(約50,000円)と逐語録作成(1名分の逐語録起こし10,000×20名=200,000円)が必要である。また、データ収集時の研究者の移動に関する交通費、得られた結果を公開するための学術集会への参加費・交通費、データ管理に使用する文具等で144,000円を費用に充てる予定である。
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