研究目的:看護師が実践現場で行っているフィジカルアセスメント内容・方法を把握し、同時にどのような教育プログラムを必要としているかについて把握することを目的とする。 研究方法:390床の地域中核病院の神経内科病棟に勤務する看護師5名を対象とし、対象者の関わった入院患者の問診場面の記録と病棟の定時の検温時の記録からフィジカルアセスメントに関わる項目とその記録内容を抽出した。看護師5名は臨床経験3年以上の人の中で研究の趣旨を理解し、承諾の得られた方の記録内容とした。期間は、2月から3月までの間で研究者が病棟に赴くことのできた5日間であった。記載内容でフィジカルアセスメント項目実施の有無が不明な事柄に関しては、記載した看護師に内容を確認した。研究の趣旨説明の際に研究協力承諾後も参加辞退は自由であることを約束して行った。 結果:5名の看護師が行った入院患者の問診場面の記載件数は8件、定時の検温記載は22件であった。問診時に共通するフィジカルアセスメント内容は、身長・体重・バイタルサイン(体温・脈拍・血圧・意識状態)・パルスオキシメータによるサチレーション測定・日常生活動作の自立度(食事・排泄・入浴・更衣・移動)・睡眠の項目であった。また、定時検温時に共通するフィジカルアセスメント内容はバイタルサイン(体温・脈拍・血圧・意識状態)測定・視診による顔色・皮膚色や表情・下肢の浮腫であった。上記の共通内容に加え、観察をする対象者に応じてその場の判断により実施していたのは、関節拘縮の確認と程度、筋力テスト、知覚の確認、認知度の確認、疼痛の確認、聴力の確認、転倒転落のアセスメントシートを用いたテスト等であった。看護師がフィジカルアセスメントの教育に何を求めているかに関しては、現在データ分析ができていない。
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