研究課題/領域番号 |
24593252
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
赤瀬 智子 横浜市立大学, 医学部, 教授 (50276630)
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研究分担者 |
長瀬 敬 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任講師 (00359613)
真田 弘美 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50143920)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 看護学 |
研究概要 |
①実験:高脂肪餌摂取による肥満モデルマウスの確立を検討した結果、高脂肪餌調整しても餌摂取が低下し肥満になるには期間がかかる、皮膚に老化等の影響が出現したため肥満モデルマウスはTSODマウス12W♂に変更した。 また、TSODマウスを使用し、27年度計画の減量による肥満改善で皮膚障害は改善できるかについて先に着手した。先行研究より40%、20%セルロース餌投与群、普通餌投与のコントロール群を作成し、まず4週間(W)の減量状態を確認した。その結果、4Wで40%セルロース餌投与群は有意な体重減少及びBMIが低下した。皮下脂肪量、血糖値、コレステロールもコントロールより減少した。一方皮膚は、真皮が非薄、膠原繊維の断裂、蛇行性の低下、繊維密度の低下、炎症所見が認められ、肥満時の皮膚所見と相違がなかった。 ②実験:抗酸化効果の高い素材を検討を行った。先行研究からフコイダン、マグネシウム、ケルセチン、ホップ、五苓散、柴苓湯、ショウガオールを選出し抗酸化能を測定した。その結果、1mg/ml濃度での抗酸化能はマグネシウムが0u/mol、ショウガオールが485.4u/mol、五苓散76.6u/mol、柴苓湯99.2u/mol、フコイダン355.5u/mol、ホップ437.3u/mol、ケルセチン1615.8u/molであった。 ③実験:局所療法の検討は抗酸化能力の高い2つの成分(ケルセチン、ホップ)を選択し背部に各2成分40mg/mlを200μl塗布した。炎症を惹起するため紫外線照射(UV)を20J/㎡行い、成分は計3回を塗布した。照射24時間後、解剖し皮膚の組織学的評価を行った。コントロールでは、UVにより表皮から筋層の深部に至るまで炎症性細胞が確認されたがケルセチン、ホップではほぼ真皮層に留まり深部までは到達していない傾向が観察された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究施設が変更になったため、機器の整備等、研究環境が整うのに時間がかかった。また、①実験において、高脂肪餌摂取による肥満モデルマウスの確立にむけて検討した結果、高脂肪餌を調整しても餌摂取が低下してしまうため、肥満になるには期間がかかる、皮膚に老化等の影響が出現する可能性が考えられたため、肥満モデルマウスを計画変更したため、予定より時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度 ②の課題において、昨年度の抗酸化効果の高い素材を検討したが、局所療法として皮膚に対する抗酸化効果が弱いため、肥満による炎症や酸化のもとである脂肪の肥大や脂肪蓄積を抑制し、なおかつ抗酸化効果の高い素材を再検討することとした。 効果の高い可能性のある素材に対し再度、局所療法における皮膚障害の検討を行う。また、平成27年度計画予定の⑥の研究において、8W減量に対する皮膚の評価を行う。 平成26年度は④の研究、すなわち肥満による皮膚酸化ストレスに対する全身療法の効果を評価するにあたり実験系を確立する。 平成27年度は⑤の研究、肥満による皮膚酸化ストレスに対する全身療法および局所療法の組合せ効果について検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究施設の変更により、機器の整備が平成24年度準備できなかったため、2,636,215円 の繰越金が生じた。なお繰越金は機器を検討し平成25年度の整備に用いる。凍結破損装置電動破損機オートミルTK-AM-S(株トッテン)(670,000円)を購入予定をしている。これは②の研究課題および25年度行う⑥の研究で使用する。肥満皮膚の炎症および 酸化ストレスの遺伝子の解析に必要で使用する。 また平成25年度研究計画経費として、マウス、組織・遺伝子解析用消耗品として300,000円、論文投稿用英文校正代として100,000円を予定している。
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