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2014 年度 実施状況報告書

肥満皮膚障害における薬理学的アプローチからの適正な与薬方法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 24593252
研究機関横浜市立大学

研究代表者

赤瀬 智子  横浜市立大学, 医学部, 教授 (50276630)

研究分担者 長瀬 敬  東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (00359613) [辞退]
真田 弘美  東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50143920)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2016-03-31
キーワード看護学 / 肥満 / 皮膚
研究実績の概要

研究計画③④⑤抗肥満作用と抗酸化作用を伏せ持つKP(Kaempferia parviflora)に昨年度より着目し、その局所療法と全身療法について研究を重ねてきた。その結果、体毛のあるTSODマウスを用いて長期間の皮膚への塗布の局所療法は1か月も継続が難しく、毛を剃ることによる皮膚への炎症の影響を除外することはできなくなったため、本年度はまず全身療法にてより効果的な方法の検討を行った。KPの成分を分析し抗肥満作用と抗酸化作用の強い成分である3,5,7,3,4-pentamethoxyflavone, 5,7-dimethoxyflavone, 3,5,7,4-tetramethoxyflavone (MF)のみを抽出し濃縮した。またそれ以外のKPの成分の効果も確認したいため、その他画分のエキスも作成した。またそれらの抗酸化効果を確認するためDPPHラジカル消去活性を測定したところ、10mg/mLMFは60%消去活性が認められた。これらKPの他、効果の期待されるMF,その他分画のエキスを有効な全身療法としてTSOD肥満モデルマウスに3か月間経口投与し、その効果について知見を得た。皮膚については、KP、MF,その他の分画投与で肥満による真皮、皮下脂肪の炎症所見は減少、特にKPは真皮への皮下脂肪の浸潤がみられず、コラーゲン線維の破壊も見うけられない。
脂肪についての効果は、KPには特に内臓脂肪(腸間膜脂肪)の減少効果、KP、MF,その他の分画投与で肥満により肥大化した皮下の脂肪細胞の小型化が認められた。皮下脂肪からの影響は皮膚に大きいことから、今回、皮膚、皮下脂肪の抗炎症作用、抗肥満作用が確認できたので、効果的な使用法について、KP、MF,その他の分画投与における特徴的な詳細な検討を次年度行うことが課題である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

KPの長期間の皮膚への塗布の局所療法の検討は難しいが、全身療法の効果的な方法で期待できる知見が得られた。局所療法においては、効果が得られるかどうかについて経皮吸収効果などの視点で平成27年度は科学的に検証したいと考えている。目的に向かい進展している。

今後の研究の推進方策

平成27年度
研究③④⑤
肥満による皮膚への影響については概ねKPが期待できる素材として、これまでの研究結果で抗炎症、抗酸化、抗肥満作用は検証できているが、今後はKP、MF,その他の画分の投与にて、より効果的な投与法の検討を行う。それぞれの投与によって特徴がある知見を得る必要があるため、抗炎症、抗酸化作用、皮下脂肪に対する作用のより詳細な分子生物学的、組織学的検討を行い(炎症、酸化、老化、低酸素マーカなどの測定、電顕、免疫染色など)、最終的に提示できるようにする。また局所療法においては、経皮吸収システムの視点から科学的効果の検証をする。

次年度使用額が生じた理由

平成24年度の研究施設変更により、これまで新しい研究施設にて、研究の成果、進行に合わせながら機器の整備を行ってきたため、繰越金が生じている現状がある。昨年度は研究の成果によって必要となった真皮画像装置を購入した。

次年度使用額の使用計画

平成27年度は組織・遺伝子解析消耗品600,000円、論文投稿用英文校正代100,000円を予定している。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Evaluation of Epidermal barrier function in the Skin of Japanese Obese Women: a Pilot Study.2015

    • 著者名/発表者名
      Ibuki A, Inoue A, Matsumoto Y, Horie Y, Akase T
    • 雑誌名

      Yokohama Journal of Nursing

      巻: 8(1) ページ: 28-32

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Fieldwork program in the Republic of Zambia - health seminar by nursing students2015

    • 著者名/発表者名
      Inoue S, Zingani E, Ibuki A, Akase T
    • 雑誌名

      Yokohama Journal of Nursing

      巻: 8(1) ページ: 49-56

    • 査読あり
  • [学会発表] 看護学におけるトランスレーショナルリサーチ研究 -肥満の皮膚障害に対するスキンケア方法の確立を目指して-2014

    • 著者名/発表者名
      赤瀬智子
    • 学会等名
      基礎科学をもとにしたCo-Medical研究会
    • 発表場所
      山形大学(山形)
    • 年月日
      2014-11-08 – 2014-11-08
    • 招待講演
  • [学会発表] 肥満による炎症性皮膚障害に対する生姜成分の抗炎症・抗酸化効果2014

    • 著者名/発表者名
      赤瀬智子, 伊吹愛, 槇原弘子, 松本裕, 井上聡
    • 学会等名
      第21回日本未病システム学会
    • 発表場所
      千里ライフサイエンスサンタ―(大阪)
    • 年月日
      2014-11-02 – 2014-11-02
  • [学会発表] 肥満によるヒト皮膚組織の変化2014

    • 著者名/発表者名
      赤瀬智子, 伊吹愛, 堀江良子, 松本裕, 槇原弘子, 井上聡
    • 学会等名
      日本肥満学会
    • 発表場所
      シーガイヤコンベンションセンター(宮崎)
    • 年月日
      2014-10-24 – 2014-10-24
  • [学会発表] 肥満マウスの炎症性皮膚障害に対する生姜成分の抗炎症・抗酸化効果の検討2014

    • 著者名/発表者名
      赤瀬智子, 伊吹愛, 松本裕, 井上聡
    • 学会等名
      第2回看護理工学会
    • 発表場所
      大阪大学豊中キャンパス(大阪)
    • 年月日
      2014-10-10 – 2014-10-10
  • [学会発表] 肥満女性の皮膚組織における軽度炎症とヒスタミンの評価2014

    • 著者名/発表者名
      伊吹愛, 赤瀬智子, 井上聡, 堀江良子
    • 学会等名
      第2回看護理工学会
    • 発表場所
      大阪大学豊中キャンパス(大阪)
    • 年月日
      2014-10-10 – 2014-10-10

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公開日: 2016-05-27  

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