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2014 年度 実施状況報告書

震災に対応する看護業務継続計画(NSCP)の作成と基盤整備に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 24593254
研究機関東邦大学

研究代表者

中原 るり子  東邦大学, 看護学部, 准教授 (90408766)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2016-03-31
キーワードBCP / 病院震災対応 / リスクマネジメント
研究実績の概要

■今年度の目標は、巨大地震災害に対応するリスクマネジメントの一環として、病院業務継続計画(Hospital Business continuity plan:HBCP )のwebシステムを作成し、その成果と課題を明らかにすることであった。
■方法:都内の災害拠点病院(1000床)をフィールドとして、まず職員と共に紙ベースでHBCPを作成し、次にそれらを材料として病院職員がいつでも閲覧できるようなwebシステムを作成し、最後に病院職員を対象として調査を実施してその成果と課題を明らかにした。
■結果:作成したHBCPは、(1)災害発生時の指揮命令系統図と役割に応じたアクションシート平日版と夜間休日版(マニュアル)、(2)フェーズごとの優先業務一覧とそれに対応する業務内容(マニュアル)から構成されている。(1)は大阪医師会のHBCPを一部修正して作成したものであり、(2)は病院職員全体の協力を得て業務内容を整理し、独自に作成したものである。webシステムは、PCでもスマートフォンでも閲覧できるよう工夫し、説明会を開催して看護主任らに試行してもらった。説明会の後看護主任らを対象に調査した結果、「災害時の役割が理解でき、イメージがついた」「意外にデジタル化が進んでいて驚いた」などの肯定的な意見が寄せられた。しかしその一方で、災害時の職員の参集に関するリールに対する質問やインタネットのアクセス障害についての懸念が寄せられた。■課題と方策:システムの内容の充実と災害時のアクセス障害のリスクを最小にする必要性が示唆された。今後はこれまでの成果と課題を国際学会International Association of Risk Management in Medicine (IARMM) に発表する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

■病院全体のHBCPのwebシステムが作成できたことについて
協力病院の副院長の協力を得て、看護業務継続計画(Nursing system continuity plan:NSCP)を病院事業継続計画(Hospital Business continuity plan:HBCP)に拡大できたことで、震災時の復旧復興にむけた準備を予定よりも大規模に進めることができた。また、HBCPのマニュアルを紙ベースからwebシステムに変更したことによって、病院職員がいつでも閲覧できるようになったため、より災害時に適応した計画ができたと考えている。
■1年延長について
ただし、作成したWebシステムについてはまだ検討の余地があり、1年延長したことについて若干達成度の評価が低くなってしまった。

今後の研究の推進方策

■研究計画の一部変更の理由について
当初の予定は、HBCPの文書化と教育・訓練のあり方の検討ならびにHBCPの修正であった。しかしながら、これまでの調査から、災害発生時、病院内のキャビネットなどの転倒により資料の取り出しが困難であること、たとえ取り出せたとしても職員全員に書類をいきわたらせることが困難であることが懸念されたため、作成したマニュアルをいつでも閲覧できるようにWebシステムを作成することとした。HBCPをwebシステムにしたことにより、システムの評価と修正を行う必要が出たこと、またこの成果を確認して海外に発表する必要性がでたため達成時期も1年ずれ込んでしまった。
■今後の推進方策について
今後はシステムを活用し、利用可能性と課題について評価するとともにシステムの不具合の修正を行っていきたいと考えている。また、最終的な成果は国際リスクマネジメント学会International Association of Risk Management in Medicine (IARMM) に発表する予定である。

次年度使用額が生じた理由

■当初の予定は、HBCPの文書化と教育・訓練のあり方の検討ならびにHBCPの修正であった。しかし、災害発生時、資料の取り出しが困難であること、たとえ取り出せたとしても職員全員に書類をいきわたらせることが困難であることが懸念されたため、紙ベースのマニュアルを用いてWebシステムを作成することとした。HBCPのwebシステムの完成が2月末となり、年内にシステムの評価と修正を行うことができなかったこと、また完成の遅れから、成果を確認するための調査や海外発表などが年度内にできなかったため、残金が生じてしまった。

次年度使用額の使用計画

■2015年度は研究協力者との会議費、また協力病院の職員を対象にWebシステム運用に対する評価についてファーカスグループインタビューを予定しており、それに協力してくれた方への謝礼金。さらに、2015年9月にウィーンで行われる国際学会での発表のための学会参加費、論文翻訳料、ポスター印刷、旅費などに使用予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 首都直下型地震対応の現状と課題2015

    • 著者名/発表者名
      吉原克則
    • 学会等名
      第20回日本集団災害医学会。ワークショップ
    • 発表場所
      たましんRISURUホール 東京都立川市
    • 年月日
      2015-02-27
  • [学会発表] 東京直下地震を想定した防災訓練におけるIT化の検討2015

    • 著者名/発表者名
      吉原克則・田巻一義・伊東俊秀・一林亮・横室浩樹・坪田貴也・本多満・松裏裕行・中原るり子
    • 学会等名
      第20回日本集団災害医学会
    • 発表場所
      たましんRISURUホール 東京都立川市
    • 年月日
      2015-02-26

URL: 

公開日: 2016-05-27  

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