研究課題/領域番号 |
24593255
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
安岡 砂織 東邦大学, 看護学部, 助教 (80459817)
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研究分担者 |
矢野 久子 名古屋市立大学, 看護学部, 教授 (00230285)
酒井 謙 東邦大学, 医学部, 教授 (10215585)
遠藤 英子 東邦大学, 看護学部, 教授 (80223684)
舘田 一博 東邦大学, 医学部, 教授 (20236558)
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キーワード | 感染予防 / 血液透析用カテーテル / カテーテル関連血流感染症 |
研究概要 |
本研究は、平成21年度継続研究として2施設を対象に①血液透析用カテーテル関連血流感染率と患者要因について(第一研究)、②血液透析用カテーテル関連血流感染の医療従事者側の発生要因について(第二研究)調査している。本年度の活動成果は以下の通りである。 (第一研究の成果)前回取得した研究費の成果は、現在論文投稿中である。更に別施設での調査についての成果報告として、2011年10月~2013月12月迄にX病院に入院し同意を得た者を対象として、患者属性、検査値、清潔ケア状況を診療録より収集した。カテーテル留置時のMaximal sterile barrier precautions遵守、留置部の皮膚状態等を直接観察した。その結果、対象者は21名(カテーテル数29本)であった。患者の平均年齢は74.1±13.5歳であった。発熱者は6名(28.5%)であったが、カテーテル関連血流感染症を発症例はなかった。MBP 遵守率は54.5%であった。カテーテル留置前の清潔ケアは60.9%実施されており、その内78.5%はシャワー浴又は入浴が実施されていた。カテーテル留置時の患者の皮膚常在菌侵入予防のための清潔ケアは高率で実施されていたが、MBP遵守率向上が今後の課題である。 (第二研究の成果)2施設における透析用カテーテル関連血流感染例からは、この患者の血液とカテーテル先端部培養から検出された菌種は、Staphylococcus epidermidis・methicillin-susceptible Staphylococcus aureusが検出されており、カテーテル接続部や患者皮膚から試料採取した検体から同一菌種が検出・同定された。今後は、伝播経路を分子疫学的(PEGE・系統樹)解析し推察する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、当初の計画通り調査が行われ、成果の一部を論文投稿中である。また、調査も7月末を目途に終了し、随時分析も開始している。よって、最終年度にあたる次年度は、研究成果をまとめ投稿準備まで可能と考えている。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定どおり以下の調査・分析を実施予定である。 1.カテーテル挿入前の皮膚洗浄(清潔ケア)の実態、2.カテーテル挿入時の医療従事者の感染予防策の実態、3.カテーテル挿入時の皮膚消毒方法の実態、4.カテーテル挿入中の皮膚観察の実態、5.透析用カテーテル関連血流感染率を算出ついては、7月末で調査終了予定である。 調査結果から、6.透析用カテーテル関連血流感染例の伝播経路を分子疫学的分析を本格的に実施する予定であるが、現時点で分析可能なものは開始している。分析を踏まえ、7.透析用カテーテル関連血流感染の危険因子を内因性と外因性の両側面を明らかすることで、皮膚細菌侵入予防のための具体的なカテーテル管理方法の提言をする予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
分析が年度末となり、その請求が年度を越してしまったことにより余剰が出てしまった。 本格的な分析、投稿に関わる費用に関わる支出を予定している。
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