研究課題/領域番号 |
24593264
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研究機関 | 日本赤十字豊田看護大学 |
研究代表者 |
中島 佳緒里 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 准教授 (90251074)
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研究分担者 |
奥村 潤子 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 教授 (40300222)
竹内 貴子 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 講師 (70387918)
加藤 みわ子 愛知淑徳大学, 公私立大学の部局等, 講師 (90633389)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | コミュニケーション・スキル / 積極的傾聴 / 共感性 |
研究実績の概要 |
2015年度は,コミュニケーション・スキル・トレーニングを実施し,初対面の相手に対するスキル実施状況を検討した。 研究参加者は,看護系大学に所属する低学年の学生13名である。トレーニングには「傾聴的態度」に焦点を当てたスキルを用いた。Bandura and Waltersの社会学習理論に基づき,行動の般化ができるようにホームワークを設定した。 スキル・トレーニングの効果は藤本・大坊(2007)によって開発されたコミュニケーション・スキル尺度(ENDCOREs)をトレーニング前後で実施し,その平均値を比較した。また,スキルの実施状況は,初対面の相手に対するコミュニケーション場面を設定し,同調性(反応潜時時間・共振回数)を分析した。さらに,スキルの実施状況と共感性ならびに自己理解との関係を捉えるために,内山ら(2001)が開発した情動知能尺度(EQS)における自己洞察と共感性の得点との相関係数を求めた その結果,トレーニング前後のENDCOREs得点には有意な差は認められず,短期間のトレーニングでは効果が低いことがわかった。参加者のENDCOREs平均得点は,自己統制4.6点,表現力4.2点,解読力4.7点,自己主張4.1点,他者受容5.5点,関係調整4.5点であった。同年代の得点(藤本・大坊2007)と比較して,ほぼ同一の傾向であった。また,EQSの共感性得点と共振回数は有意な相関関係にあった(r=.48)が,自己洞察得点と相関を認めたのは,沈黙時の瞬目回数と共振回数であった(それぞれr=.32,-.44)。これらのことから,積極的傾聴法におけるスキルの実施状況は,共感性の高い学生ではより多く使われるが,沈黙などの緊張が伴う場面では自己尊重が低い学生ほど緊張が高くスキルを実践できなくなることがわかった。
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