研究課題/領域番号 |
24593267
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研究機関 | 滋慶医療科学大学院大学 |
研究代表者 |
田村 由美 滋慶医療科学大学院大学, 医療管理学研究科, 教授 (90284364)
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研究分担者 |
津田 紀子 滋慶医療科学大学院大学, 医療管理学研究科, 教授 (80172021)
池西 悦子 神戸大学, 医学部附属病院, その他 (90280106)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | リフレクション / リフレクティブ思考 / アセスメントツール / 看護教育 / 看護実践 |
研究概要 |
臨床看護師を対象としたリフレクションのアセスメント尺度の開発に向けて、構成概念を抽出し、アセスメント指標の原案作成を行った。 [方法]①使用許可を得た臨床経験3~10年の看護師による看護実践経験の記述41編の内容を、海外のリフレクションのアセスメントツール開発に関する先行研究の分類を参考に、「non Reflector」「Reflector」「Critical Reflector」に分類した。 ②「Reflector」に分類された16編の記述内容を質的機能的に分析し、3カテゴリー「(その)場面における状況の描写」「思考の認識と意味付けの描写」「新たな気づきの描写」、9サブカテゴリー「場面の概要」「対象者の状況・言動」「場面における私の状況・言動」「場面における私の感情と理由」「場面における私の判断」「私の思考と判断との関係」「援助が対象者に与えた影響」「今後活用したい気づき」「明らかになった目標や行動計画」を抽出した。 ③臨床看護師が自分自身であるいは指導者とともに活用することを想定し、表現を考慮して30項目の下位項目を作成し、4段階(1.全く当てはまらない、2.あまり当てはまらない、3.少し当てはまる、4.とても当てはまる)のリッカート法でアセスメントする原案を作成した。(第21回日本看護学教育学会で公表した。) ④30項目から成るアセスメント原案を、研究者らが実施しているリフレクティブ学習研修に参加した臨床経験1~10年の看護師を対象に予備調査を実施し、内容的妥当性を検証した。さらに、因子妥当性、構成概念妥当性(収束妥当性)、並びに安定性及び内的整合性の信頼性を検証した。⑤看護におけるリフレクションの牽引校のひとつである英国オックスフォードブルックス大学の研究者らと意見交換した後、26項目に項目精選しアセスメントツール原案2とした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初30項目で作成したリフレクティブな思考のアセスメントツールの原案を、海外の研究者らと意見交換することによって、本ツール開発の方向性が同じであることが確認でき、26項目まで精選することができた。 当初のツール原案の妥当性・信頼性検証の統計処理もほぼ終わり、25年度に予定していた、精選した26項目から成るツール原案2を用いて、更なる信頼性・妥当性検証の研究準備をしている。倫理審査についても、すでに申請を済ませている。 研究の順調な進展の背景には、看護実践の質向上とリフレクティブな思考を実践の中で活用することの重要性がリンクしていることへの気づきがあり、研究者らが臨床看護師を対象としたリフレクションを学習する研修に積極的に貢献しているため、研究協力を得やすいことがあると考える。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画のとおりに進める。 25年度は、24年度作成した26項目から成るリフレクティブな思考のアセスメントツール原案2の信頼性・妥当性検証を行い、その結果を国内外で公表する計画である。 さらに、26年度に計画している、リフレクティブな思考のアセスメントツール活用の有用性の研究に向けて準備をする。臨床実践の変化のみならず看護組織の変革の視点で有用性を検証することを計画しているため、25年度後半は、研究協力者である組織学習の研究者の専門的知識を得る。
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次年度の研究費の使用計画 |
ノート型パソコン並びにセキュリティソフト、Office professionalソフト、統計解析ソフトSPSS一式(25年度PCを2台購入予定のところ1台のみ購入した) 国内外での成果発表のための旅費 研究協力者(組織学習の研究者)との研究打合せ及び、専門的知識の提供を得るための費用 関連図書購入費(看護におけるリフレクションの改訂5版が出版されたため)
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