研究課題/領域番号 |
24593273
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研究機関 | 日本赤十字広島看護大学 |
研究代表者 |
吉田 和美 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 講師 (90461342)
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キーワード | リーダーシップ能力 / 継続教育 / 「一人前」看護師 / ポジティブ・アプローチ / 集合研修 / 看護教育 |
研究概要 |
本研究の目的は、「一人前」看護師の技能レベルにある卒後3~4年目看護師のリーダーシップ能力の特徴と課題を明らかにし、ポジティブ・アプローチを用いたリーダーシップ能力を育成する研修プログラムの構築を検討することである。 1.インタビュー調査の分析とアンケート調査の準備 本研究の2年目である平成25年度は、前年度に実施した「一人前」看護師のリーダーシップ能力の特徴と課題を明らかにするために実施したインタビュー調査の分析をおこなった。研究者がリーダーシップ研修を担当しているA県内の1施設で、前年度にリーダシップ研修を終了し、卒後5年目を迎える看護師を対象にしたインタビュー調査(審査番号1115)と、200床以上の3つの一般総合病院に所属する卒後3~4年目の看護師10名に実施したインタビュー調査(審査番号1221)の2つを分析した。 2.ポジティブ・アプローチを用いたリーダーシップ研修の実施 研究初年度に実施した文献検討において、新人期から中堅期に移行する期間の看護師のリーダーシップに関する特徴および、集合研修で実施される内容に関する現状をふまえた知見の整理をおこなった。また、研修を実施するに当たり、先進的な工夫や方法に関する研修や学術集会等に参加し、知見の収集をおこなった。 それらをふまえ、ポジティブ・アプローチの手法を取り入れた研修を計画し、研究者がリーダーシップ研修を担当しているA県内の1施設でリーダーシップ研修を実施した。実施後に研修参加者にアンケート調査を実施した。調査結果は現在分析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成25年度の研究実施計画に記載した実施内容からやや遅れて進行している。 初年度に実施計画に追加した調査があり、追加したインタビューデータを含めて、分析を行ったため、学会発表を実施する予定が平成26年度に持ち越された。 また、それらを踏まえてアンケート調査を実施する予定としていたが、実施は平成26年度に持ち越した。 ポジティブ・アプローチを用いたリーダーシップ研修の実施は予定通り、実施できているため、全体としてはやや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
【「一人前」看護師のリーダーシップ能力に関する質問紙調査】 文献検討とインタビュー調査をした内容をもとに質問紙調査を実施し、「一人前」看護師のリーダーシップ能力にある特徴と課題を明らかにする。全国の総合病院のうち200床以上の施設の教育企画担当者および卒後3~4年目看護師約300名程度を対象とする。調査は、研究の対象施設に研究計画と説明書・質問紙を郵送し、研究の同意が得られた施設を対象とする。施設教育企画担当者対象の調査として、卒後3~4年目対象の継続教育研修の現状(施設規模と特徴、継続教育研修のプログラムの有無と内容・企画者、プログラムの概要、現状での困難点)を調査する。卒後3~4年目看護師にはリーダーシップ能力と自己の課題について質問紙で調査する。質問紙を集計・分析し、「一人前」看護師のリーダーシップ能力の現状と課題を明らかにする。 【「一人前」看護師への研修準備と実施・研修後の質問紙調査による評価】 リーダーシップ能力の向上にポジティブ・アプローチの手法を組み入れた研修プログラムを平成25年度に作成し実施した。それらを評価し、平成26年度はより良い結果が得られるように研修を実施する予定である。研修は、既に承諾を得ている施設の研修責任者を含めて協議し、当該施設の「一人前」看護師の実情に合致しているかどうか意見を貰いながら研修プログラムを完成させる。そして、研修後に「一人前」看護師対象の研修プログラムについて研修受講者に質問紙調査を行い評価する。研修プログラムの成果と課題が明らかになるよう質問紙調査を作成する。選択式回答は単純集計を行い、自由記載内容は質的帰納的分析を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度の実施予定であったアンケート調査を平成26年度に持ち越した。 平成26年度の計画として、研修実施および、その準備と評価のための旅費が必要である。また、継続的な情報収集のための旅費も必要となる。 平成25年度で準備が遅れていた「一人前」看護師のリーダーシップ能力に関する質問紙調査を実施するための準備として、資料整理のアルバイト代が必要である。質問紙調査を準備するため、印刷代、文献収集代、通信費が必要である。
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