研究課題/領域番号 |
24593274
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 日本赤十字広島看護大学 |
研究代表者 |
迫田 綾子 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 教授 (70341237)
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研究分担者 |
原田 裕子(小野裕子) 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 助教 (20446066)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 誤嚥 / 摂食・嚥下障害 / 食事支援 / ポジショニング / 教育モデル / 汎用化 |
研究概要 |
本研究の目的は、摂食・嚥下障害のある人々に対し、看護師による誤嚥予防のための食事時の適切なポジショニングの教育スキームを構築し、汎用化することである。教育スキームは、研究者らが平成23年度までに研究(基盤(C))で作成したポジショニング教育モデルを発展させ多施設で活用するための実践研究である。本研究は1年目であり、以下のように研究計画に沿って進行させた。 ①食事支援、ポジショニング教育に関する文献検討を実施した。看護基礎教育には誤嚥予防のための実践的なポジショニングに関する新たな先行研究は見当たらなかった。②研究倫理審査の申請と承認を得た(日本赤十字広島看護大学審査番号1231)。 ③ポジショニング教育スキームの構築に関する調査を実施した。研究期間は平成25年2月16・22日、対象は摂食・嚥下障害看護認定看護師6名とした。調査方法は、フィーカスグループインタビュー法とし病棟における食事支援やポジショニング、教育の現状と今後の教育的な介入方法などをインタビューし、現在も継続して分析中である。 ④食事時のポジショニングの実践力強化のための環境と整えるため、ポジショニング用電動ベッドを看護実習室へ配置し、教育開発に活用している。 ⑤ポジショニング教育スキームを汎用化するための、インターネットを介在したビデオ教材を開発し試用中である。完成時は、複数の対象施設でのポジショニング教育への活用が可能となる。⑥国内外の看護技術教育の現状調査の実施は、大学業務との日程調整が困難なため次年度に実施することとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度の研究計画に沿って概ね進展している。達成状況は、文献検索では誤嚥予防のためのポジショニングと食事支援に関する新たな先行研究は見当たらないないことがわかった。また研究計画を本学の研究倫理審査の申請と承認を得た。 ポジショニング教育スキームの構築に関する調査は、摂食・嚥下障害看護認定看護師を対象としてフォーカスグループインタビューを2月に実施した。逐語録を作成し研究目的に沿って分析中である。 臨床看護師に対する教育モデルの媒体は、紙ベースと動画ベースの2種の作成に取り掛かっている。インターネットを活用予定である。 より適切な教育モデルを開発するため、海外における看護教育や摂食・嚥下リハビリテーション関連の調査をする予定であったが、学部授業等の都合により実施困難であった。それが未達成であったが、次年度で実施予定である。
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今後の研究の推進方策 |
初年度の調査結果を元に、臨床看護師に対する教育スキームを作成し、食事時のポジショニングを実践するための研修会を開催する。講師は食事時ポジショニングの専門的知識と技術のある理学療法士を予定している。その後教育モデルを完成させ、研究協力施設で認定看護師による研修会を2~3回開催していく。併せて、海外のポジショニング教育の情報収集をしてより適切なモデルを構築していく。 教育モデルは、紙ベースとインターネット介在したビデオ教材を完成させ、臨床で活用して、その効果も判定しながら教育スキームの対象や継続のための課題を明確化する。ポジショニング教育スキームの汎用化に当たっては、影響評価を実施してより実践的なモデルとしていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
ポジショニング教育スキーム構築のための文献検索や図書購入をする。臨床看護師に対するポジショニング教育は、1回の集合研修及び対象施設を5~6箇所で2~3回を予定している。集合研修では講師謝金、交通費、宿泊費が必要である。併せて研究協力者の交通費や謝礼が必要である。 ポジショニング教育モデルは、紙ベース及びインターネット配信予定である。それに関する研究協力者への謝礼、通信費、消耗品が必要である。 初年度未達成であった海外のポジショニングに関する教育などの情報収集に関する交通費や宿泊費を3名予定している。 研究を遂行するためのデータ分析や資料整理としてアルバイトを週1回雇用予定である。
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