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2013 年度 実施状況報告書

在宅看護における対応困難事例、暴言、暴力の現状と対策に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 24593282
研究機関神戸常盤大学短期大学部

研究代表者

武 ユカリ  神戸常盤大学短期大学部, その他部局等, 講師 (00363581)

研究分担者 金川 治美  神戸常盤大学短期大学部, その他部局等, 教授 (50233870)
西出 順子  神戸常盤大学短期大学部, その他部局等, 講師 (80530724)
小坂 素子  神戸常盤大学短期大学部, その他部局等, 講師 (40530720)
會澤 久仁子  独立行政法人国立循環器病研究センター, その他部局等, 研究員 (80530162)
キーワード困難事例 / 暴言 / 暴力 / 訪問看護 / 個別面接調査 / グループ対話 / テキストマイニング
研究概要

平成25年度研究実績概要は、次の4項である。
(1)グループ対話(平成23年1回、平成24年2回、合計3回実施済)結果の分析と論文作成:ネオソクラティク・ダイアローグ(NSD)による訪問看護師の困難事例をテーマにしたグループ対話について、Philosophizing through Dialogue(Berli,2013/7)の学会発表をもとに論文をまとめており近く提出予定である。
(2)個別面接調査の内容分析:2012/8~11月に訪問看護師12名を対象に実施した個別面接調査の内容分析を行い63事例が収集できた。そのうち1)暴言・暴力なし25事例、2)暴言・暴力あり38事例であった.1)には中途障害の受容支援困難,ネグレクト・DV,自傷行為.癌患者の受容支援困難,ALS患者への対応困難,家族の厳しいクレームとチェック等、2)には①セクハラ、②認知症の介在があった他、③その他として多様な要求.支払を渋る.杖をふり回して叩こうとする.援助者側の対応を責め支配的になる、刺青がある等様々な事象があった。対応に労力を要し,訪問看護活動に大きな影響があるのは,暴言・暴力がない困難事例と認知症等の介在のない暴言,暴力であると考えられた。
(3)暴言、暴力事例の学会発表:2014年3月在宅医学学会にて「在宅療養者と家族らによる訪問看護師に対する暴言、暴力についての考察~訪問看護師への個別面接調査から~」という表題で2)の結果について、ポスター発表を行った。
(4)質問紙調査内容の検討:困難の要素を見出すため、訪問看護師が困難事例であると感じているのかという視点でテキストマイニングソフトを用いた分析を実施中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

12名の訪問看護師に実施した個別面接調査の内容分析の結果で、63事例から暴言、暴力の介在の有無や認知症介在の有無等を視点に、困難事例の分類ができた。また対応に労力を要し,訪問看護活動に大きな影響があるのは,暴言・暴力がない困難事例と認知症等の介在のない暴言,暴力であると考えられた。次の段階で実施予定である全国の訪問看護師を対象とした質問紙郵送調査は、訪問看護活動への支援策の基礎資料になると考えている。
これらのことから、困難事例の中でも訪問看護活動に大きな影響がある事象、対応に苦慮している事象、それらの状況を捉えることが重要であると考えた。訪問看護師が困難事例として対話の中で語っている言葉をデータとし、テキストマイニングソフトを用いた分析を実施中である。内容分析の結果とテキストマイニングソフトの分析結果をもとに、訪問看護活動に大きな影響を与えている事象と、その影響を測定し得る質問紙調査の実施を検討している。

今後の研究の推進方策

1)NSD、学会発表、論文作成:複数の異なる立場のメンバーで構成されたグループ対話(3回実施)の中で、訪問看護師が語った困難事例について事例の内容や、困難とは何かの問いに対する答えから、哲学的な視点を通した分析し、論文作成、投稿をする。
2)個別面接調査の分析、学会発表、論文作成:内容分析とテキストマイニングソフトによる分析をすすめ、困難事例と暴言、暴力について、発生要因となる要素を見出す。
3)質問紙郵送調査の実施:2)の結果を下に、暴言、暴力の介在を中心に発生状況や訪問看護師に与える影響について質問項目を設定し、質問紙郵送調査を実施、結果の分析を行う。
4)質問紙郵送調査の結果の学会発表、論文作成:3)の結果をまとめ、論文作成、投稿をする。
5)臨床現場で活用できる対応策の考案:困難事例の中の主に暴言、暴力を中心とした対応策、検討シートなどの案を作成する。

次年度の研究費の使用計画

平成24年度に12名の訪問看護師に実施した個別面接調査の内容分析の結果で、63事例から暴言、暴力の介在の有無や認知症介在の有無等を視点に、困難事例の分類ができた。次の段階で実施予定である全国の訪問看護師を対象とした質問紙郵送調査は、訪問看護活動への支援策の基礎資料になると考えている。困難事例の中でも訪問看護活動に大きな影響がある事象、対応に苦慮している事象、それらの状況を捉えることが重要である。当初の計画では質問紙郵送調査を平成25年度に実施予定であったが、質問項目の内容充実を図るため、訪問看護師が困難事例として対話の中で語っている言葉をデータとし、テキストマイニングソフトを用いた分析を実施中である。内容分析の結果とテキストマイニングソフトの分析結果をもとに、訪問看護活動に大きな影響を与えている事象と、その影響を測定し得る質問紙調査の実施を検討している。
個別面接調査について内容の検討を行った結果と、テキストマイニングデータソフトを用いた分析の結果から質問項目を設定し、質問紙郵送調査を実施する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 訪問看護の困難事例についての哲学的グループ対話を用いた検討2014

    • 著者名/発表者名
      會澤久仁子、武ユカリ、金川治美、西出順子、小坂素子、安齋三枝子
    • 学会等名
      日本ホスピス・在宅ケア研究会
    • 発表場所
      神戸ポートピアホテル(兵庫県)
    • 年月日
      20140712-20140713
  • [学会発表] 在宅療養者と家族らによる訪問看護師に対する暴言、暴力についての考察~訪問看護師への個別面接調査から~2014

    • 著者名/発表者名
      武ユカリ、金川治美、安斎三枝子
    • 学会等名
      日本在宅医学学会
    • 発表場所
      グランドホテル浜松(静岡県)
    • 年月日
      20140301-20140302

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公開日: 2015-05-28  

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