研究課題/領域番号 |
24593286
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
二渡 玉江 群馬大学, 保健学研究科, 教授 (00143206)
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研究分担者 |
萩原 英子 群馬パース大学, 保健科学部, 講師 (40438776)
中西 陽子 群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 教授 (50258886)
広瀬 規代美 群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 准教授 (80258889)
堀越 政孝 群馬大学, 保健学研究科, 助教 (80451722)
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キーワード | 乳がん / 家族 / 関係性 |
研究概要 |
今年度は、乳がんサバイバーが治療を継続する中で、夫との関係性を育むプロセスを明らかにするために、初期治療を受ける乳がん患者12名を対象に面接調査を行い、M-GTAを用いて分析し以下の結果を得た。 乳がん患者が治療継続する中で夫との関係性を育むプロセスは、『治療に臨むために共通認識を持つ体験』『治療による困難に身を置く中で夫の存在を実感する体験』『命と女性らしさの価値観を認め合う体験』によって構成された。『治療に臨むために共通認識を持つ体験』は、夫と治療開始に伴う苦悩を共有し、夫の後押しによって術前化学療法を受ける意思決定をしていた。<夫がいつも通りに振る舞うことを心強く感じる>ことに支えられていた。夫と今後の生活や治療の共通認識を持つことで、患者が術前化学療法をやり抜こうという思いに至った。『治療による困難に身を置く中で夫の存在を実感する体験』は、術前化学療法による副作用が生活への影響する中で、生活と治療を両立できるよう夫から心身のサポートを受けていた。これを通して【夫への信頼が深まり】、治療に専念できるようになるという【治療継続への意思の強まり】に至った。さらに、夫への信頼が深まることで、<夫との心の距離が近づく>という関係性が深まっていた。『命と女性らしさの価値観を認め合う体験』は、乳房喪失とそれを失うことで永らえる命という2つの価値観の中で揺れ動きながら自分の優先したいことを見出し、それを夫が理解していることを知るという【価値観の理解による後押し】によって術式決定に至っていた。夫への感謝の気持ちが一層患者と夫との関係性を深める要因となり、【絆が強まる】プロセスであった。 以上から、乳がん患者が治療継続していく中で関係性を育むためには、診断初期から両者がお互いの思いを確かめ合えるような関わり、夫の支えを実感しながら、信頼を深めていくための支援の必要性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は質的研究結果をもとに、「乳がんサバイバー・家族相互支援尺度(仮称」尺度原案を作成し、一部内容妥当性の検討を行う予定であった。しかし、質的研究のまとめに時間がかかり、尺度原案作成に着手した状態である。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、「乳がんサバイバー・家族相互支援尺度(仮称」尺度原案を専門家会議の検討を踏まえて作成し、その信頼性・妥当性を検証する。施設での調査が円滑に行えるよう、研究協力者との連携を図っていく。 計画通りに進めない場合は、研究分担者と協議し、研究計画の見直しを図る。研究の制度を維持しながら、研究協力者との連絡・調整の機会を増やし、尺度開発に向けた適切な助言を受けることができるよう依頼する。
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次年度の研究費の使用計画 |
「乳がんサバイバー・家族支援尺度」原案作成のために行う、質的研究に時間がかかったため、分担者の主要な役割である尺度の信頼性・妥当性の検討に至らなかった。そのため、分担金を使用できず、繰り越すこととなった。 研究成果の公表、尺度開発に必要な文献及び関連図書、研究で使用する文具等の物品を予定する。
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