• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実施状況報告書

2型糖尿病患者の主体的な生活を支える連続性を基盤とした看護実践評価指標の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24593287
研究種目

基盤研究(C)

研究機関千葉大学

研究代表者

河井 伸子  千葉大学, 看護学研究科, 助教 (50342233)

研究分担者 黒田 久美子  千葉大学, 看護学研究科, 准教授 (20241979)
正木 治恵  千葉大学, 看護学研究科, 教授 (90190339)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード2型糖尿病 / 生活調整 / 連続性 / 評価指標
研究概要

今年度の研究実施計画である評価指標の構成要素を抽出するために、2型糖尿病患者を支援する看護師が患者のウェルビーイングに重要な「連続性」を把握し評価するときの看護師の視点の構成要素を明らかにする研究を行った。データ収集は、外来通院している2型糖尿病患者3名に対し月1から2回の頻度で10か月間行った看護実践内容をデータとし、看護師が行った連続性のアセスメント及び評価を抽出し、質的統合法(KJ法)を用いて分析することで、連続性を把握し評価するための構成要素を抽出した。結果、2型糖尿病患者の連続性を把握するための評価の構成要素として、【変化度:生活調整の中での変化】【持続性:自己像の維持】【統合:自己と生活調整の相互浸透】【受容度:打開できない者の受け入れ】【掌握度:人生の道のりの見通し】【志向性:生活調整での関心の向き様】【関連性:出来事のつながり合い】の7要素が抽出された。本研究で明らかになった7要素は、連続性に着目した看護実践の評価指標の項目作成の際に活用できると考える。また、本研究で明らかになった7つの構成要素の内容及び関係性から、実践の中で少しづつこの7つの構成要素を紐解くことで、実践の一つ一つの患者との出会いの中で垣間見える患者の様子から、患者の連続性という全体論的なものを把握し評価していくことが出来ることが示めされた。この結果は、実践家にとって実用性があり、ケアを循環的に発展させるための評価指標の活用方法を考える際の示唆となる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成24年度の研究実施計画は、1)主体的な生活調整を支援する際の困難についての臨床看護師へのインタビュー調査により、評価指標の導入方法の基礎資料とすること、2)評価指標の項目の抽出の2点であった。2)評価指標の項目抽出は実践内容の分析により明らかとなり達成された。1)のインタビュー調査は未施行なのは、導入方法の検討を、看護師の現状の困難から明らかにする間接的方法ではなく、直接的に評価指標を作成し、専門家会議にかけることで、導入方法を検討する方法に変更したことによる。この変更は、周知されていない連続性の概念を実践家が把握し評価指標を活用できる実用性のある導入方法を検討するために必要な変更であった。そのため、インタビュー調査の前に次年度に行う予定であった仮評価指標を作成中であり、次年度に専門家会議を行う予定である。

今後の研究の推進方策

1.評価指標(試案)の完成:平成24年度引き続き、明らかにした評価指標の構成要素を基に評価指標(試案)を完成させる。専門家会議を開催し、評価指標(試案)の洗練を行う。
2.評価指標の基盤となる連続性の概念の説明方法の検討:臨床看護師がなじみの薄い連続性の概念を理解できるよう、先行研究で明らかにされている連続性の概念・考え方の説明方法の試案を作成する。
3.評価指標の試験的導入:アクションリサーチの手法を用い、作成した評価指標(試案)と連続性の概念の説明方法を、2型糖尿病患者へのケアを行っている看護師に一定期間評価指標(試案)を活用しながら看護実践を行ってもらう試験的導入を行う。

次年度の研究費の使用計画

平成24年度の臨床看護師へのインタビューを行わずに専門家会議により評価指標(試案)を実用性の高い指標へと洗練させる方法へと研究方法を修正したことにより、臨床看護師へのインタビューを行う際の旅費、およびデータ整理などの人件費分が未使用となっている。次年度はこの未使用額を新たに計画した専門家会議の開催のための旅費や資料整理および研究分担者や研究協力者がデータを整理・共有するための機器の購入に対する支出に充てる予定である。
次年度の研究費の使用計画として上記に挙げたものの他、アクションリサーチによる試験的導入を行うために、データ収集にかかる旅費、研究協力者への謝礼、データ収集・データ整理を依頼した人への謝金、データ起こしの外部委託金、データ収集・整理を行うためのICレコーダーをはじめとする機器の購入が主な支出となる予定である。また、研究成果の発表のための旅費に対する支出も生じる予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Structural Elements for Understanding and Evaluation of Continuity2013

    • 著者名/発表者名
      Kawai Nobuko, Yoshiyuki Takahashi, Yuko Ohara, Yayoi Takahashi,
    • 学会等名
      16th East Asian Forum of Nursing Schlars
    • 発表場所
      タイ(バンコク)
    • 年月日
      20130221-20130222

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi