本調査の目的は,胃切除術後患者の食事開始期から退院後1ヵ月までの回復状態に適った食事指導の方法を検討することである。胃全摘術後患者のたんぱく質および脂肪摂取量の低下は顕著であったが,たんぱく質摂取量は,退院時には徐々に回復の兆しがみられた。脂肪摂取量,中でもn-3PUFA,EPA,DHA摂取量は,術後・退院時共に低下しており,退院後の血清EPAは低値のままであった。以上のことから,胃全摘術後患者の健康状態回復には,術後早期にたんぱく質,脂質(n-3PUFA)摂取量を増加し,退院時から退院後には,n-3PUFA,特にEPA摂取量を増加するための摂取方法の検討が課題であることが示唆された。
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