研究課題/領域番号 |
24593292
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
任 和子 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40243084)
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研究分担者 |
本田 育美 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30273204)
若村 智子 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40240452)
山口 曜子 梅花女子大学, 看護学部, 教授 (50381918)
大西 弘高 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90401314)
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キーワード | 予防的フットケア / 糖尿病足病変 / 臨床能力評価 / 看護師 |
研究概要 |
糖尿病看護に従事して1~3年目の看護師を対象とした予防的フットケアの臨床能力評価項目を作成した。作成は糖尿病看護認定看護師、慢性疾患看護専門看護師、糖尿病看護研究者、医学教育評価研究者6名で文献検討と討議により行った。まず、足病変リスク状態(神経障害、血流障害、変形)とセルフケア状況(できる、部分的援助でできる、できない)のマトリックスを作成し、患者像を想定し1~3年目の経年別に対応可能範囲を決めた。次に、この患者像をもとに到達目標を経験1年目:足病変リスク評価は「足病変のリスク要因がわかりローリスクの足のケアができる」、セルフケア支援は「セルフケアに影響する要因がわかる」、経験3年目:足病変リスク評価は「ハイリスクの足に予防的ケアができる」、セルフケア支援は「患者の自立をサポートするセルフケア支援がわかる」、経験2年目の到達目標は前述の中間とし、これらに沿って臨床能力評価項目を整理した。臨床能力評価項目案は足・全身状態・生活・セルフケア状況のアセスメント視点から作成した。続いて作成した項目案を足病変リスク評価とセルフケア支援の2項目で分類し、さらに知識と技術(観察、ケア)に分類した。これと並行して糖尿病看護に従事する看護師の予防的フットケアとその臨床能力評価の実態調査を糖尿病認定医教育施設、専門医施設対象にすすめている。 海外視察では糖尿病予防的フットケアでの看護師の機能について、米国1カ所(聖アンソニーメディカルセンター)、韓国3カ所(延世大学セブランス病院糖尿病センター、江北三星病院、仁川市南洞区保健所)を視察した。フットケアクリニックやフットケアセンターの部門では看護師が創傷処置を行っていた。糖尿病センターや糖尿病外来では予防的フットケアについて指導が行われていたが実際に足のケアをしながら指導する体制ではなく、日本の看護師の予防的フットケアは先駆的であることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
糖尿病の予防的フットケアのエキスパートであり、臨床で看護師教育の責任をもち企画するポジションをもつ慢性疾患看護師、糖尿病看護認定看護師の協力を得て専門家会議を行えたことにより、実用性の高い臨床能力評価項目が作成できた。また、海外視察では糖尿病の予防的フットケアが日本独自の看護ケアシステムであることが確認でき、日本から世界へとりわけアジアへ発信する方向性を見いだした。
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今後の研究の推進方策 |
糖尿病看護に従事する看護師の予防的フットケアとその臨床能力評価の実態調査結果を早急にとりまとめ、今年度作成した臨床能力評価項目にもとづいた事例を作成し、予防的フットケアの客観的臨床能力評価のパイロットプロトコールの実施を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
①実態調査が終了していないため、その発送入力経費を次年度に計上した。 ②教材作成の経費がかかることが想定されるためその経費を残した。 ③海外発表が韓国からシンガポールに変更になったため海外出張経費を残した。 ①実態調査分として24万円、②教材作成として32万円、③2名分のシンガポール出張費として30万円の出張費に17万円追加
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