研究課題/領域番号 |
24593294
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
齊藤 奈緒 神戸大学, 保健学研究科, 助教 (20403298)
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研究分担者 |
多留 ちえみ 神戸大学, 保健学研究科, 研究員 (90514050)
宮脇 郁子 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (80209957)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 循環器看護 / 植込み型心臓デバイス / 療養支援プログラム |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、心臓デバイス植込み患者が、デバイス植込みによる制約を組み入れ、自分なりの療養生活を再構築できることを目標に、心臓デバイス植込み患者の療養支援プログラムを開発し、その有効性を検証することである。 進捗状況については、26年度は、プログラム介入および評価を測定するためのツールとして、療養生活アセスメントツールである、Implanted Device Adjustment Scale(Beery IDAS,2006)日本語翻訳修正版の信頼性・妥当性を検証する調査を行った。対象者数が充足するのに時間を要したため、当初計画より4か月遅れの平成27年1月末に調査終了した。調査結果を分析した後アセスメントツールが完成し、現在、介入調査を行う準備が完了した段階である。 成果発表としては、プレテストで調査実施した、気分状態の1年間の推移と電話介入のみの効果については、現在投稿準備中である。また、平成26年11月、札幌市における日本循環器心身医学会総会、シンポジウム3(不整脈疾患患者におけるメンタルケア)において、「ICD・CRT-D植込み不整脈患者の気分状態と療養経験から看護の役割・課題を考える」と題して、本研究の取組の一部を報告した。さらに、平成27年3月発刊、循環器ナーシング5(3)49~57ページに、「3大疾患:不整脈-看護ケア-」と題して本研究の取組の一部を用いて執筆した。なお、アセスメントツールの信頼性・妥当性の成果について、投稿準備を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
24年度の緊急的な本務業務によるエフォートの低下により、申請時当初計画からの遅れは取り戻せていない。しかしながら、申請時当初計画から変更追加した、療養支援プログラム案の確定および介入評価のための指標としての「日本語翻訳修正版IDAS」の調査は、前述の通り、数か月遅れではあるが終えている。数か月遅れた理由は、対象者の回答欠損が想定以上に多くなってしまい、正確な分析のために欠損データを補完する目的から、対象者数を増やしたことがある。 したがって、申請時計画はやや遅れているが、修正変更した計画はおおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
26年度で介入調査を開始できる準備が完了した段階であり、早々に介入調査を始めるための準備を現在進めている。具体的には、当初の計画からの遅れもあり、27年度が最終年度であるため、予定していたフィールドのみでは対象者数の確保が困難なことが推定される。そのため、現在、新たなフィールドへの打診を行い、倫理審査手続きの最中である。また、当初より介入を依頼する予定であったフィールドにおいても、協力医師や看護師の異動もあり、新たな介入実施体制の再構築を早々に調整しているところである。加えて、研究協力者も増員している。また、介入効果について、介入1年後まで長期に評価することを予定していたが、最終年度終了までには終えられないため、6カ月後までの追跡評価を目的として進め、本助成金による実施を終える予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
調査実施期間が延長したことにより、成果論文の投稿が遅れた。その英文校閲や投稿料が発生しなかったため次年度使用額が生じている。
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次年度使用額の使用計画 |
27年度は最終年度である。繰り越した分については、遅れている成果論文の投稿のための英文校閲や投稿料として使用する。それに加え、調査フィールドを増やすことから、介入調査のための旅費と研究協力者の雇用を充実させると共に、成果論文投稿に関する費用として使用する。
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