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2012 年度 実施状況報告書

子育て世代のがん患者と子どもを含めた家族支援のケアモデルの構築

研究課題

研究課題/領域番号 24593297
研究種目

基盤研究(C)

研究機関島根大学

研究代表者

矢田 昭子  島根大学, 医学部, 教授 (70335553)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード子育て世代のがん患者
研究概要

初年度である平成24年度は下記の通り実施した。①子育て世代のがん患者と子どもを含めた家族支援について文献検討を行った、②面接調査を実施するためにインタビューガイドを作成し、倫理委員会に提出、研究の承認を得た、③インタビューを実施した。
がん拠点病院に勤務し、子育て世代のがん患者を支援する看護師およびメディカルソーシャルワーカーに実施した。その結果、支援者は子育て世代のがん患者の身体的側面については積極的に行っていた。しかし、子どもへの支援については必要性を十分認識していたが、がん患者や家族の意向などから支援を積極的に行うことに躊躇していた。また、小児看護の経験のない支援者は子どもの発達に応じた関わりに困難を感じていた。さらに、患者が終末期になると親を喪失する子どもには、多職種による支援チームが結成されている場合は支援が容易であるが、看護師のみでの支援は困難に捉えていた。
子育て世代の乳がん患者に実施した。その結果、入院時はがんの告知を受けたことのショックと同時に子どもの世話をどうするかについて心配をしていた。しかし、支援者からは身体的なケアを中心に受け、心理面や子どもを含めた生活についての支援を受けなかったと答えていた。子どもへの説明は退院後の入浴時に自ら説明をしていた。説明することで子どもたちは積極的に手伝いなどをしてくれるようになったと語っていた。
以上の結果から、支援の実態は支援者個々の力量によって差があることや、支援チームを結成した事例は容易に支援ができていた。一方、患者は身体的側面への支援が多く、心理面や子どもを含めた生活についての支援が少なかったと捉えていた。このことより、子育て世代のがん患者と子どもを含めた家族支援は十分に実施されていないことが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

本研究の目的は,支援者による子育て世代のがん患者と子どもを含めた家族への支援に関する実態と,がん患者と子どもや配偶者を含めた家族への支援の実態とニーズを明らかにすることである。
平成24年度は支援者にはアンケート調査、がん患者と子どもを含めた家族には面接調査を実施する予定であった。支援者へのアンケート調査はがん発症時から終末期からグリーフケアまで含むため、調査票の質を上げるために予備調査として面接調査を実施し、その結果を踏まえて調査票を検討している。がん患者と子どもを含めた家族への面接は患者には実施できたが家族には実施できていない状況である。今後、引き続き面接を実施する必要がある。

今後の研究の推進方策

子育て世代のがん患者と子どもを含めた家族支援のケアモデルの構築をめざし、25年度の前半は調査を継続する。25年度の後半は検討会を立ち上げ、ケア内容を検討する。誰もが支援できるように支援フロー図を作成する。事例ごとに作成した支援フロー図を基に支援し、評価する。
また、支援者の力量を高めるために研修会を企画実施する。

次年度の研究費の使用計画

平成24年度は、調査が途中の段階であり、人件費や郵送料等に未使用金額(118,840円)が生じた。
平成25年度は資料収集や学会発表として学会参加旅費130,000円とする。内訳は緩和医療学会(横浜)旅費60,000円、がん看護学会(新潟)旅費70,000円である。データ収集として、アンケート調査の郵送料として通信費50,000円とする。データ入力に伴う人件費118,000円、データ入力用USBメモリーなどの消耗品費は20,840円とする。支援者のための研修会を企画開催し、講師謝金(交通費含む)100,000円とする。

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公開日: 2014-07-24  

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