研究課題/領域番号 |
24593299
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
南川 貴子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部, 准教授 (20314883)
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研究分担者 |
田村 綾子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部, 教授 (10227275)
市原 多香子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部, 准教授 (10274268)
桑村 由美 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部, 助教 (90284322) [辞退]
日坂 ゆかり 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部, 助教 (30730593)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 脳神経看護 / 脳卒中 / 生活支援 |
研究実績の概要 |
脳卒中患者は急性から発生した機能障害に伴い、慢性期には関節可動域の縮小を生じ、ADLの低下が起こりやすい。そこで本研究では、上肢の可動域縮小予防を目的に脳卒中発症後1~2日目の急性期から関節可動域訓練に整髪動作を組み込んだ積極的支援介入を試み、その効果を明らかにした。 対象は、初発脳卒中の患者で、患者31名を対照群、31名を介入群とした。対照群には通常の看護ケアとセラピストによる通常のリハビリテーションを行い、介入群には介入群の看護ケアとリハビリを加えて、1日1セット30回のヘアブラシを使用した整髪動作の支援を、安全面に注意しながら行った。麻痺で上肢が挙上困難な場合は、研究者が参加者の上肢を保持し、肩関節に過度な負担がかからないように注意ながら支援した。評価は、他動的関節可動域の角度(肩関節の屈曲・外転・外旋,肘関節屈曲、手関節の屈曲・伸展)について、発症後1~2日の初回と、初回から6日目に測定し比較した。 その結果、測定できなかった10名を除外した対照群26名と介入群26名で測定を行った。対照群の可動域は、6日目には麻痺側肩関節外旋角度が2.1度有意に低下していた(p=0.049)。一方介入群では、初回に比べ6日目の肩関節外転角度が5.7度有意に拡大していた(p=0.002)。また、対照群と介入群の両群間の麻痺側の比較を行ったところ、介入群の麻痺側肩関節外転角度(p=0.001)と肩関節外旋角度(p=0.035)において、有意な関節可動域の拡大を認めた。介入群の実施中・実施後の上肢の疼痛発生はなかった。さらに、平成27年度の追跡調査によって、退院後も整髪動作が原因と考えられる有害事象の発生はなかったことが明らかになった。 この成果は、BJNN(British Journal of Neuroscience nursing)11巻3号で発表した。
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