研究課題/領域番号 |
24593301
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
木下 由美子 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30432925)
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研究分担者 |
壬生 隆一 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 教授 (20200107)
川本 利恵子 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40144969)
樗木 晶子 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60216497)
中尾 久子 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80164127)
宮園 真美 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (10432907)
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キーワード | 直腸がん / クオリティオブライフ / 排便障害 / 自尊感情 / 症状マネジメント |
研究概要 |
下部直腸がんに対しては、直腸切断術(人工肛門造設術)が標準治療であるが、近年では技術の発達 と永久的人工肛門を造設する心理的負担が考慮され、内肛門括約筋切除術や超低位前方切除術(歯状線の口側2cm以内で吻合する術式)が行われている。これら の手術では一時的人工肛門の造設が行われ、人工肛門閉鎖後には便失禁・排便の不規則性などの排便障害の重症化や遷延化が懸念されている。さらに排尿・性機能障害によるQOLの低下も起こりうる。集学的療法を受ける際には、排便障害が重症化することが多く、入院期間短縮により患者は不安の強いまま外来通院に移行し試行錯誤しながら日常生活を送っているのが現状である。 下部直腸がんで内肛門括約筋切除術を受けた患者の看護の論文はない。 はじめに、自尊感情とQOLの関連について明らかにして、国際学会で発表し、投稿を行った。 次に、内肛門括約筋切除術は、直腸切断術(人工肛門造設術)に代わる手術になっており、初めにこの2群の術後2年間のQOLに関する比較を行った。内肛門括約筋切除術は、直腸切断術(人工肛門造設術)を受けた患者に比べて、SF36のmental health および、EORTC C30のemotional functioning が有意に不良であった。この結果については、現在国際誌に投稿中である。 現在、肛門温存手術患者のQOLの変化およびQOLに関する関連要因を分析中であり、特にQOLの低下した時期や術後1年において回復が遅れているQOL側面を明らかにして、その関連要因を分析中であり、これらの結果についても国際誌に投稿予定である。これらを明らかにした上で、QOLの低下を最小限にとどめる介入および、QOLの回復が十分でない面に関する必要な支援を明らかにして、介入研究を実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
下部直腸がんで内肛門括約筋切除術を受けた患者の看護の論文はない。 はじめに、自尊感情とQOLの関連について明らかにして、国際学会で発表し、投稿を行った。 また、内肛門括約筋切除術は、直腸切断術(人工肛門造設術)に代わる手術になっており、初めにこの2群の術後2年間のQOLの変化について比較を行った。内肛門括約筋切除術は、直腸切断術(人工肛門造設術)を受けた患者に比べて、SF36のmental health および、EORTC C30のemotional functioning が有意に不良であった。この結果については、現在国際誌に投稿中である。 現在、肛門温存手術患者のQOLに関する関連要因を分析中である。
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今後の研究の推進方策 |
現在、肛門温存手術患者のQOLに関する関連要因を分析中であり、特にQOLの低下した時期(術後1か月)のQOLの関連要因を明らかにして、QOLの低下を最小限にとどめる介入およおよび、術後1年経過してもQOLの回復が十分でないQOLの側面(functioningやsocial functioning など)の関連要因を明らかにして必要な支援を明らかにする。 その分析方法としては、性別や年齢、術式による違いを明らかにしていく。これらの結果は国際誌に投稿予定である。 これらの必要な支援を十分に検討して上で、直腸がん患者のQOLの向上を目指した介入研究を実施する。 さらに、患者の症状マネジメントの実態も明らかにして、介入研究につなげる予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
消耗品の節約や予定の延期(英文校閲など)により使用額が少なくなったため。 延期となった予定の実施(英文校閲など)を行う。
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