研究課題
本研究の第一の目的は,腹膜透析診療における包括的腎臓リハビリテーションプログラムを作成することである.初年度より,看護師・医師に加え,管理栄養士との1ヶ月に1回の定例合同カンファレンスを積極的に実施することによって,情報共有,チーム医療の認識を高めることをまず行った.次に,研究計画に従って収集された腹膜透析の透析量(6ヶ月毎),味覚検査,塩分摂取量,塩分排泄量,リンや蛋白排泄量(6ヶ月毎),体液量・筋肉量(毎月)についてそれぞれカンファレンス時に評価を行い,改善方法についてチームでカンファレンスを行う体制を作った.カンファレンスの効果については現在解析中であるが,短期的効果としては体液過剰による臨時透析が減ったこと,腹膜炎発症率が激減したことが挙げられる.また,骨代謝に関する検査データとして血清カルシウムやリン値,副甲状腺ホルモン値の正常化を認める症例が増えた.症例数が少ないため統計学的検定は行っていないが,症例を蓄積することで引き続きチームでの介入効果についての評価を行うと共に,長期的な効果についての評価を行うことが必要であると考える.また,運動量に関する評価および運動療法の介入については今回完遂することができなかったので,今後の課題としたい.高齢者の運動量の低下と認知機能の低下など,今回の研究を通じて多くの課題が明らかになった.本研究期間中に蓄積されたデータの縦断的な解析を行い,最終的に効果的なリハビリテーションプログラムの開発と実践につなげて行く必要がある.
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