地域における循環器病患者の再発予防に向けた脚温サウナ看護プログラムの開発

2013 年度 実施状況報告書

• 研究課題/領域番号: 24593303
• 研究機関: 九州大学
• 研究代表者: 宮園 真美 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (10432907)
• 研究分担者: 樗木 晶子 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60216497) ; 栃原 裕 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 研究員 (50095907) ; 川本 利恵子 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40144969) ; 中尾 久子 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80164127) ; 前野 有佳里 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (20432908) ; 木下 由美子 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30432925)
• キーワード: 循環器病 / 温熱刺激 / 再発予防

研究概要

本申請においては、循環器病患者が遠赤外線脚温サウナを継続使用することによって血管内皮機能及び末梢循環を改善させ、疾患の再発予防と良好なQOLの維持・向上に貢献する地域連携型の治療的看護プログラムを開発することを目的とする。本年度は、１）若年者（10名）、高齢者（10名）への脚温サウナの実施と比較、２）高齢者への継続した脚温サウナを実施した結果検討（サウナ11名、コントロール8名）を行った。１）深部体温は、高齢者では約1.1℃、若年者では約0.6℃、安静時平均体温より上昇した。血圧、心拍数は変動がなく循環動態への影響はなく、高齢者への脚温サウナ使用の安全性を確認できた。FMD（Flow Mediated Dilation：動脈硬化が引き起こす様々な疾患に対する早期発見・早期治療に有用）測定では、高齢者の最大拡張血管径にのみ実施後に有意な拡張を認めた。
２）被験者を高齢女性として、脚温サウナを使用して約3ヶ月間実施した際の、睡眠（セントマザー病院睡眠調査票）、暑がり、寒がり自覚、および血管内皮機能を評価した。サウナ実施群のほぼ全対象において、主観的な睡眠の改善傾向が認められ、冬季の脚温サウナと睡眠との関係が期待できると考える。血管内皮機能および属性との関係性のデータは解析中である。被験者は、ほとんどに高脂血症があり、循環器病のリスクを持っていたため、疾患との関連性を主に分析したのち、来年度は、これまでのデータを基に、循環器病の再発予防に向けたプログラム作りに取り組む。

現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初計画中であった実験を実施することができ、目標達成に向けたデータが蓄積されているため。

今後の研究の推進方策

現在、実験段階として脚温サウナを長期間実施および評価している。今後は、実際に地域生活者（デイサービス施設など）への活用を考えて計画中である。

研究成果

• [学会発表] 脚部サウナ使用時の 高齢者の生理・心理反応 (2013)
  • 著者名/発表者名: 宮園真美、澤渡浩之、小野淳二、橋口暢子、前野有佳里、
  • 学会等名: 日本看護科学学会
  • 発表場所: 大阪
  • 年月日: 20131206-20131207
• [学会発表] 慢性心不全患者における下肢加温療法による不眠の改善 (2013)
  • 著者名/発表者名: 澤渡 浩之 宮園 真美 西坂 麻里 竹本 真生 井上 修二朗 坂本 隆 安藤 眞一 アニタ・ラハマワティ 橋口 暢子 樗木 浩朗 砂川 賢二 樗木 晶子
  • 学会等名: 第70回日本循環器心身医学会総会
  • 発表場所: 東京女子医大
  • 年月日: 20131122-20131123
• [学会発表] Leg thermal therapy improved sleep structure and subjective sleep quality in chronic heart failure (2013)
  • 著者名/発表者名: Hiroyuki Sawatari, Mami Miyazono, Mari Nishizaka, Shin-ichi Ando, Kenji Sunagawa, Akiko Chishaki
  • 学会等名: 5th World Congress on Sleep Medicine
  • 発表場所: Valencia-Spain
  • 年月日: 20130928-20131002
• [学会発表] A Small Device for Topical Leg Warming Improved Vascular Endothelial Function in Patients with Chorionic Heart Failure without Any Harmful Hemodynamic Changes (2013)
  • 著者名/発表者名: Hiroyuki Sawatari, Mami Miyazono, Shin-ichi Ando, Mari Nishizaka, Nobuko Hashiguchi, Anita Rahmawati, Shujiro Inoue, Masao Takemoto, Takafumi Sakamoto, Hiroyuki Tsutsui, Daisuke Goto, Tomoo Furumoto, Shintaro Kinugawa, Hiroaki Chishaki, Kenji Sunagawa, Akiko Chishaki.
  • 学会等名: 35th Annual International Conference of the IEEE Engineering in Medicine and Biology Society
  • 発表場所: Osaka-Japan
  • 年月日: 20130703-20130707
• [学会発表] Leg Thermal Therapy Improved Sleep Structure in Patients with Congestive Heart Disease (2013)
  • 著者名/発表者名: Hiroyuki Sawatari, Mami Miyazono, Shin-ichi Ando, Mari Nishizaka, Nobuko Hashiguchi, Anita Rahmawati, Shujiro Inoue, Masao Takemoto, Takafumi Sakamoto, Hiroaki Chishaki, Kenji Sunagawa, Akiko Chishaki.
  • 学会等名: 35th Annual International Conference of the IEEE Engineering in Medicine and Biology Society
  • 発表場所: Osaka-Japan
  • 年月日: 20130703-20130707
• [学会発表] 下肢加温療法は、慢性心不全患者の睡眠を改善する (2013)
  • 著者名/発表者名: 澤渡浩之, 宮園真美, 竹本真生, 井上修二朗, 坂本隆史, 西坂麻里, アニタ・ラハマワティ橋口暢子, 安藤眞一, 樗木浩朗, 砂川賢二, 樗木晶子
  • 学会等名: 日本睡眠学会第38回定期学術集会
  • 発表場所: 秋田
  • 年月日: 20130627-20130628
• [学会発表] Leg thermal therapy improves sleep quality with amelioration of vascular endothelial function in patients with chronic heart failure (2013)
  • 著者名/発表者名: Hiroyuki Sawatari, Mami Miyazono, Nobuko Hashiguchi, Anita Rahmawati, Shujiro Inoue, Masao Takemoto, Mari Nishizaka, Tomomi Ide, Shin-ichi Ando, Hiroaki Chishaki, Kenji Sunagawa, Akiko Chishaki.
  • 学会等名: 第77回日本循環器学会学術集会
  • 発表場所: 神奈川
  • 年月日: 20130315-20130317
• [学会発表] 夏季および冬季室内における高齢者の生理・心理反応に及ぼす除湿・加湿の影響
  • 著者名/発表者名: 橋口暢子 宮園真美 澤渡浩之 樗木晶子
  • 学会等名: 第1回看護理工学会
  • 発表場所: 東京
• [学会発表] 脚部サウナによる若年者と高齢者の生理心理反応
  • 著者名/発表者名: 宮園真美
  • 学会等名: 第1回看護理工学会
  • 発表場所: 東京
• [学会発表] 心不全患者における遠赤外線下肢加温療法の血行動態および血管内皮機能への効果
  • 著者名/発表者名: 澤渡浩之, 宮園真美, 橋口暢子, 樗木晶子
  • 学会等名: 第1回看護理工学会
  • 発表場所: 東京
• [学会発表] Leg Thermal Therapy Improved Cardiac Function in the Patients with
  • 著者名/発表者名: 澤渡浩之, 細川和也, 宮園真美, 西坂麻里, 安藤眞一, 竹本真生, 井上修二朗, 坂本隆史, アニタ・ラハマワティ, 橋口暢子, 樗木浩朗, 大草知子, 砂川賢二, 樗木晶子
  • 学会等名: 第78回日本循環器学会学術集会
  • 発表場所: 東京
• [備考] 下肢加温療法は睡眠呼吸障害を合併している心不全患者の心機能を改善する
  • URL: http://site2.mtpro.jp/jcs/jcs2014/contents/PJ-515/